第35話

チャイム2ーTt
2,295
2021/05/07 09:11
今日も君は教室の隅の席で1人座っている。


どんなに周りが盛り上がっていても
どんなに楽しい休み時間だろうと

君は全く動かず、空気のように
いつも外を眺めている
Th
あなたちゃん!
話しかけると露骨に嫌そうな顔。

最初のうちは無視されていたから、これでも少しは前進したと思っていいよね?
Th
今日のお弁当なにっ?
you
あなたに話す必要あります?
Th
うん、一口貰おうと思って。
君の眉間の皺がまた深くなった。

そんなに怒ることないのになぁ

お弁当を机の上に出したのに、なかなか開けない。
you
あの、1人で食べたいんですけど。
Th
えっいいじゃん、僕ここにいたい
わざとらしいため息をついた君が、やっとお弁当の蓋を開けた。
Th
わぁっ
すんごい美味しそうなおかずが並んでて、キラキラした宝箱みたいだ。
Th
すご…あぁっ!!!
you
な、にっ!?
僕の声に驚いたのか、少しびくっとした君に続けて話しかける。
Th
ねぇこれ!チャプチェ!僕大好きなんだ!
君が持っている箸を奪って、チャプチェを頬張った。
you
あっ!!!
Th
おーいしーい!!
最高!
目を瞑って味わってたけど、君の反応がないから怒ったかと思ってすぐに目を開けた。

確かに今のはまずかったかも…?

とりあえず謝っておかなきゃ
Th
つい、、ごめんね?
you
Th
でも、すんごい美味しかった!
今までで一番!!あなたのお母さん天才だね!!
you
…/////
何故か下を向いた君

耳が赤いな?
もしかしてなんか照れてる?
Th
どうしたの?お母さん褒められて嬉しかった?
you
お弁当…自分で作ってる///
絞り出すように聞こえた小さな声。


いつもポーカーフェイスの君

こんなことで急に照れちゃうあなたを見て、僕の心臓がまたグラグラと揺れた。


これ、この感覚。
この前からなんなんだろう?



この気持ちの正体を
きちんと確かめるために…



君のその口元を隠している

綺麗な手を取って

ぎゅっと握ってみても、いいかな?

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