(なんでか?
俺の方が聞きたいんだけど… ///
なんでって、ゲームしてなきゃ落ち着か
ないからだよ…!!!////)
…っていうのは私の単なる妄想で。
ジンは絶対こんなこと考えてない。
一人でパソコンに向かってカタカタやってるのは、恥ずかしいとか照れるとかじゃなくて単純に暇だから。
彼女が来てるのに暇っていうのがそもそもおかしいんだけど…
わざと不貞腐れたのをアピールするように低い声で言う。
さすがのジンも反応した。
3秒くらい追い討ちでタイピングした後、私の方を振り返るけど体はパソコンに向かったまま。
なんかムカつく。
再びパソコンに向かって話し始めるから、もはや誰と会話してるのかわからないレベル。
ここまで言われてハイそうですかって言う人いる!?
さすがの私も今日こそ簡単には許さないっ!
ジンの言葉を無視してお風呂場に向かった。
でもここで問題発生。
シャワーを浴び終わってからやっと気付いた。
…私、怒りながら来たからタオルも着替えも持ってきてないじゃん。
軽くパニックになるけど、どうしようもない。
濡れたままドアの所まで行き、少しだけ扉を開ける。
聞こえないのか、返事はない。
今度は大きめの声で呼ぶと、やっと返ってきた。
笑われた気がする。
少し待つとタオルを持ったジンが現れた。
さっき怒った手前なんだか素直になりにくい。
まだ怒ってるんだからね、的なアピールも忘れずにタオルを受け取った。
着替えいらないよと言われたから借りるつもりで来たけど、私が着れそうなサイズあるのかな?
いや?
今、この人 「NO」 って言った?
…はい?
今日はよく空回りする。
今もジンの言ってることがわからないんですけど。
言い終わらないうちにガッとドアノブが押されて扉が開かれる。
全く予想してなかった私はジンの力に負けて後ろによろけた。
蛙が潰れたみたいな全然可愛くない声を出して驚く私。
だって裸なんだもん、仕方ないじゃん。
ギリギリの所で押し戻したから、見えてないよね…?
ぐいぐいと押され続けて扉が壊れそう。
あーこの人おかしい。
やっとおふざけが終わったのを確認してから、タオルを体に巻いて出て行く。
呼ばれるままに寝室に向かうと、ジンがクローゼットからハーフパンツとTシャツを出してベッドに放り投げた。
あるなら最初から出して欲しい。
着替えてみると、上下ともブカブカだけどなんとかなった。
キッチンで水を飲んでたジンが私を見るなり、盛大に吹き出す。
口の端についた水を手の甲で拭いながら近付いてきた。
いつものように憎まれ口を叩く…
と思ったら、ぱっくり開いた首元に指を這わせた。
みんなは知ってる?
ジンって、私生活ではソクジンなの。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。