真っ赤な顔して帰ってきたおっぱが、脱いだ靴を乱暴に投げ出して部屋の中に入ってくる。
どかっとソファに座って、
とか珍しく甘えた声。
手招きしながらニヤニヤしてて、もうすんごい酔ってるのが丸わかり。
仕方なく隣に座ると、いつものおっぱじゃ考えられないようなこと言われる。
おっぱの足の上に座らされると、満足そうに笑ってる。
右手で顔を隠しながら笑って、おでこを擦ってる。
相当酔ってそう…
それから何の迷いもなく私の太ももをさわさわと撫でて来るから困る。
急に真顔でど正論…
自分で言って窓拭き始めちゃうところは、酔ってもシラフでも変わらないよね。
おっぱの足から降りてキッチンに水を取りに行く。
おっぱに渡すとごくごくと飲み干した。
喉仏が動いて少しだけ口の端から水が滴る。
これだけで絵になるんだから、つい見惚れちゃう…
コップをテーブルにコトンと置くと、静かに呟くおっぱ。
え、急に酔い覚めた?早くない?
…まさかね。
突然の変わりようになんだかついていけず、とりあえず困惑しながら返事をした。
心配する私をよそに、服を脱ぎながらお風呂場へと移動するおっぱ。
フラフラと歩く姿を見て、順に落ちていく服達を回収しながら慌てて後ろをついていく。
お風呂場に入ると急におっぱが振り返って私の後ろのドアを片手で閉めた。
バタン、という大きな音に驚いてビクッと震える。
そう言われた時には既に私のシャツは脱がされてるっていう不思議な状況。
気付けばいつも通り、おっぱに流されてる私。
まだ顔が赤いおっぱだけど、なんだか冷静。
さっきまでの、テンションが無駄に高くてとぼけた彼はどこに…?
ちゃんと確認するけど、それに対する回答は無し。
その代わり一方的に役割を与えられた。
仕方なく言われるがままに身体を流してあげる。
一緒に湯船に浸かると、おっぱが満足そうに言った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!