第4話

ターゲット▶46歳 女性
97
2018/08/16 04:27
さやか
ユウ!
ユウは起きなかった。
だから、一人で外に出た。
レン(警察)(さやかの兄)
今日は夜の営業やってるか?
私は驚きですぐに返事を返せなかった。
また、警察だ。
さやか
いえ、今日もやりません。夜の営業辞めようかと思っていて。昼間ならやってますので、是非来てください!
レン(警察)(さやかの兄)
そうか。残念だな。昼間に行くと、騒ぎになっちゃうからさ。殺し屋さん、演技はもうしなくていいよ。
さやか
なんのことですか?
レン(警察)(さやかの兄)
店長が殺し屋なんてありえないですよね?
さやか
そうですね。
レン(警察)(さやかの兄)
今日も殺すつもりですよね?人を。
さやか
人を殺すなんて出来ません!
レン(警察)(さやかの兄)
動物ならいいと?
さやか
それもダメです!そんなことする人がいるのですか?何処にいるのですか?私が止めます!
レン(警察)(さやかの兄)
何処にいるか、ですか。
分かってるでしょう?
いい加減、演技はやめろ!
さやか
なら、あんたもやめなよ。
レン(警察)(さやかの兄)
バレてたのか。
さやか
普通に気づくでしょ。最初は分からなかったけど。
レン(警察)(さやかの兄)
今日も人を殺すんだろ?身内をさ。
さやか
何で知ってんの?
レン(警察)(さやかの兄)
それは秘密だ。今日、昼間顔出すから。裏の方から入ってくるからな。鍵開けとけよ。
さやか
何時?
レン(警察)(さやかの兄)
一時。絶対遅れないように来る。
さやか
ふーん。じゃあ早く帰って。
レン(警察)(さやかの兄)
冷たくね?お前がこうなったのって母さんのせいだよな。
さやか
知らない。
レン(警察)(さやかの兄)
今日、俺が朝一で誰もいない時間に来た理由分かるか?理由はな、忠告をしに来た。もうやめろ!いつバレるか分からないだろ!
さやか
だから?
レン(警察)(さやかの兄)
もうあの人は居ない。死んだ。お前がやる必要なんてもうないだろ!
さやか
私がやりたくてやってるから。
レン(警察)(さやかの兄)
利用されてただけだろ!現実を見ろよ!
さやか
早く帰って
レン(警察)(さやかの兄)
辞めないなら今、捕まえるぞ!
さやか
勝手すればいい。
私の兄、レンは十五も歳が離れている。
レンは母から暴力を暴言を受けてなかった。
私は産まれた時から酷い扱いだった。
母にも何かがあったのかもしれない。
だからって、許せない。
レンは私をとても心配している。
そして、優しい。
けど、私にとっては迷惑だ。
私はレンが嫌いだから。
あの時、見て見ぬふりをして私を助けてくれなかった。
私を見捨てた。
中学一の時、ユウに出会った。
もうその時には心が空っぽになっていた。
そんな私をユウは誘拐した。
私は抵抗しなかった。
そして、三年前に私は兄に会った。
すれ違いだった。
兄は私にすぐに気づいたらしい。
私もそうだった。
恨んでいた兄の顔なんて見ればすぐ分かる。
それから、しつこくなった。
今さら仲良くやろうなんて、都合が良すぎる。
私が兄を許すことは、これから無い。
何かがあったとしても。
私が手を差し出していると、ユウが来た。
焦っているようだ。
ユウ
さやか!
レン(警察)(さやかの兄)
誰だ!
さやか
捕まえたいなら、捕まえればいい。どうせ、捕まえること出来ないんだから
ユウ
帰って下さい!お兄さん。
レン(警察)(さやかの兄)
さやか!今日、殺るなら本当に捕まえる。もう覚悟は決まった。
そう言ってレンは去って行った。
ユウ
大丈夫か?
さやか
うん。今日は昼間はやらない。皆に連絡しといて。あと、裏の方の扉の鍵頑丈に閉めといて。来るから。
ユウ
分かった。家帰るのか?
さやか
地下にいる。掃除しておく。
ユウ
俺も手伝う。
さやか
勝手して。
今日は地下の汚れを綺麗にした。
レンが来る時は調子が狂う。
レンを早く殺したい。
そう思うのだ。
でも、依頼がない限り、人を殺してはいけない。
これは規則だ。
前からずっと継がれている規則。
今日は特別な日。
この地下はあの人から受け継いだ。
でも、今日でさようならだ。
今日、レンは来た。
だが、諦めて帰った。
真っ赤だった地下は少しづつ黒が浮き出てきた。
そして、あっという間に夜になった。
掃除は途中までしか出来なかった。
あと五分で行く準備をしないと行けない。
ユウ
今日は俺が行く。
さやか
私が行く。もう大丈夫だから。復讐をしたい。
ユウ
俺が行く。復讐目的じゃない。ちゃんと依頼者が居るんだ。斬り方を間違えたらダメなんだぞ!
さやか
失敗しない。だから、行く。
ユウ
俺の事を信じろ!大丈夫だ!ちゃんと殺してくる!
さやか
もういいや。面倒臭い。行ってくれば。
ユウ
それでいい。条件は?
さやか
首から上が欲しい。ボスにあげるって言ってた。それ以外はいらない。
あいつの価値は十万。
ユウ
待てよ。あいつは臓器しか処理出来ねえじゃねえか。残りはどうするんだよ!しかも、十万って!価値ないのは分かるけど、少な過ぎねえか?
さやか
あいつの価値は十万!骨は引き取ってくれるって。残りののものは、この店を燃やして消す。
こことは今日でさようなら。

ユウ
それなら、残らねえけど。もうひとつの方、人目が多すぎる!
さやか
大丈夫。ユウには教えてないけど、隠しドアがある。地下もある。
ユウ
そうか。とりあえず、行ってくる!
さやか
早く殺してきて
ユウ
あー。殺ってくる、手早くさ。
そうして、ユウはお面を被って屋根を使って向かって行った。
二十分ぐらい後、ユウは戻ってきた。
ユウ
部屋に手紙置いてきた。
うちの家の周りの人ってうるさいよなぁ。
だから、引っ越すわ!
と書かせてきた。
さやか
分かった。早く地下に行くよ。
ユウ
はいはい。
その後、首から上、骨、臓器、必要な荷物だけ持って燃やした。
その間に私とユウは車で新しい店へ出発した。

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