西畑 side
ほんまは助けるつもりなんてなかった 。
けど 、なんか放っておけなくて気づいたら
言葉よりも体が動いとった 。幸いにも迷子くんの
お母さんが早く来てくれて俺らも1分前
ギリギリに会場入りすることができた 。
大「 楽しみやんなあ( わくわく )」
『 … おん 』
バッと照明が落ち 、辺りが暗くなって
光ってるのはステージだけやった 。
いろんな女優さんやモデルさんが出てきて 、
一番最後のシメで一ノ瀬が出てきた 。
あ 、さっき背中で汚れたところ
パーカーで隠してる 。さすがプロやんな 。
フ「「 きゃああああああ!!!!!」」
大「 めっちゃかわええ … !!!!!
な !!!大ちゃ 、、、え ?!」
『 … 』
もうあいつとなんか関わりたくない 。
そう思ってるはずなのに体が言うこと聞かへん 。
あたりは暗いはずなのに
なんで空いてる道がわかるんやろ 。
そうや 、あの匂い 。初めて会った時 、
一緒にロッカーに隠れた時の匂い 。
俺は動くがままに匂いのする元は走った 。
『 っ 、はあ 、待てや!』← バックハグ
全「「 ( ざわざわざわざわ )」」
一「 … え ?」
ステージに上がった瞬間 、
戻ろうとしていた一ノ瀬を捕まえて
逃げられないようにバックハグした 。
こんなん柄ちゃうねんけどな 笑
『 なあ 』
一「 いや … 西畑 、ここステージ 、」
『 … どんなこと言ったらええん ?』
一「 … はっ ?」
『 どんなこと言ったら好きになる ?』
一「 … え ?」
『 もうこれ以上好きになりたくなくて
嫌いになろうとしたけどなれんかってん 。
だからこれから逆のことするわ 』
一「 いやいや 、は ?」
一ノ瀬がどんな答えであろうと 。
どんなに俺のこと嫌ってようが 。
『 俺は 、一ノ瀬が好き 』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。