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第1話

元お母さん
606
2018/12/16 02:39
お父さんが死んでお母さんに育てられていた
私は虐待を受けていた
あなた

や、やめてよ。痛いよ。お母さん。

元お母さん
うるせぇ!
元お母さん
お前がいるからあたしはこんなに
死にそうなくらい働かなきゃいけないんだよ!
あぁ。まただ。お母さんの拳が私の頭に…

ゴン!
あなた

痛い………

痛いけど、泣いたらお母さんにもっと
怒られちゃうから、我慢しないと…

ゴン!

バン!ドン!


私がこれから生きていくためにも耐えないと
お母さんがもっと怒って私を殺してしまうかもしれない。

辛いよ。誰か助けて。
元お母さん
あぁ。気味が悪い。こんなに殴っても
泣かないなんて。
あなた

え……?

元お母さん
あたしさ、もう無理よ。こんな、
役にも立たないやつを育てるなんて。
まだ幼かった私はお母さんが何を言っているのか、
それがどういう意味なのか分からなかった。
元お母さん
外に出なさい。
あなた

はい。

また外で寝ないといけないのかな…
今は秋だからちょっと寒いな…
元お母さん
お前は明日からうちの子じゃないから。
元お母さん
ここから出ていって!明日の朝までここにいたら殺すからね?
え、どういうこと……?
じゃあ私はどこに行けばいいの……?
どうやって生きていけばいいの…?
あなた

お母さん!ちょっとまって…

ガチャン
あなた

捨てないで…

さっきまで殴られてたから体のあちこちが痛い…
胸が苦しい…
あなた

ここじゃない所に行かないと…

あなた

遠くに…行かないと…

私は殴られたボロボロの体で、暗い夜の道を
歩き続けた。
そして自分がどこにいるのか分からないまま
近くにあった路地で眠った
🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹
あなた

ん…うぅ。

私はお母さんにいつも朝早くに起こされていた。

だから今日もお母さんがいなくても朝早くに起きてしまった。
あなた

あ、そうだ。もう私にお母さんはいないんだ。

あなた

あれ…?

眠気を覚ますために目をこすった手が
ぬれていた。
あなた

私、…泣いてる…?

自分が泣いていることにきずいた時
一気に悲しみが込み上げて止まらなくなった
あなた

ぐすっ

あなた

うぅぅ……

お母さん。私を捨てないで。殴ってもいいから一緒にいさせてよ。ねぇ。

胸が苦しい。息ができない。涙が止まらない。
私は路地で1人声を押し殺して泣いていた。

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