コンコン
扉が叩かれる
扉の向こうから五条の声がする
ガチャ


五条が木の椅子に座る
太宰がベットに座る
太宰が胸の前で両手を当てる
太宰がぐりんと五条の方を向く
五条が額縁を指さしながら聞く
太宰が目を伏せほんのり首を傾げながら肩を竦める
ピンポーン
そう答え乍太宰が扉の方へ歩いて行く
ガチャ
太宰が扉を開ける
芦戸の後ろにはクラスの殆どの人が居た
シャッ
太宰が仕切りを退ける
太宰がやれやれと云うように呆れを含ませた声色で言う
人差し指を唇に当てわざとらしくウインクする
パタパタ
「居るだろ、内通者」
その言葉が彼の頭の中で反響する
パサリ
机の上に持っていた数枚の資料が投げ出すように置かれた
信じられないと言うように呟かれたその言葉は、夜の静寂に溶けていった
先程の会議での鋭さは何処に行ったのか、遠くから歩いてきながら何時もの軽い口調で問いかけてくる
顎で机の上の資料を指す
その資料には、ある生徒に関して調べた物だった
その生徒は___
太宰あなたの下の名前
その資料の正体は入学時の出身中学校や成績が書かれたものだった
2枚目資料は 帝樂中学校と言う中学校の卒業者一覧だった
資料に軽く目を通し軽く掲げて見せる
相澤の声が鋭くなったような気がした
プレゼントマイクが慌てて名簿に目を通すと顔を上げる
鋭い声で問いかける
資料を一瞥した後再びプレゼントマイクの目を見る
資料を叩くように指さし、声を荒らげた
控えめに首を振る
言い返せないのか、黙りこむ
プレゼントマイクの言葉を半ば遮るように言葉を紡ぐ
重い口を開くようにして言葉を発した
落ち着いた声色でまるで小さな子供に言い聞かせるようだった
資料を手に持ち歩き出そうとする
資料をマイクの手から抜き取り、職員室の外へと歩き出した
やがて足音が聞こえなくなるまでマイクは扉をじっと見つめていた
そう呟いた
その呟きは未だに緊張感が残っていた空気に解けるようにして消えた













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!