俺はあなたの兄貴っていうことを
あなたやみんなに言おうと思ったけどやめといた
なんでかって?
それはあなたが俺のことを絶対に覚えてないから
兄ちゃんがいるということすら
知らんのかもしれん
それなら知らない人のふりをしてずっと楽しく
さっきみたいにふざけたりして
生活した方が...
あなたと触れ合った方が...
絶対に良いと何故か思ったから
ちょっと心が締め付けられるような感覚はあったけど
存在を忘れられているという現実を知るよりもまだ
ましだと思った
あなたに本当のことを教えず、
現実逃避している俺は
最低なんかな...
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!