第10話

ニゲロ7 〜伊達工業ターン〜
941
2018/09/17 01:51
茂庭side


茂庭「1…2…3…揃ってる。」




二口「本当に一週間も逃げるんっすかー?」




二口が嫌そうな顔をしてそう聞いてくる。




鎌先「二口体力ないもんなー!逃げれるのかよ!」




また、始まった…。




二口「逃げれますよ!鎌先さんだって、筋肉重くて動けないんじゃないですかー?」




鎌先「なっ…!」




このままにしておくと、いつまでも続きそうだ。




茂庭「青根…。止めてくれ。」




青根はゆっくりと頷き、ケンカしている2人の仲裁に入った。




茂庭「そんなことしている場合じゃないだろ!」




少し大きな声を出すと二人は俯いた。




二口「…ッス。」




鎌先「スマン。」




珍しく、2人が素直に謝った。




茂庭「よし。頑張って皆で生き残ろうな!また、バレーするために。」




二口「当たり前ッスよ!余裕で生き残りますっ!」




その時、俺は見てしまった。




強気にそう言う、二口の手が震えているのを。




二口だって、内心はものすごく不安でいっぱいのはずだ。




茂庭「二口!」




二口「はい?」





俺は二口の背中をバシンッ!と叩いた。




二口「いってぇ!」




背中を押さえながら涙目になる二口。




茂庭「大丈夫!お前なら逃げ切れる!もっといつもの余裕さ見せろよ!」




そんな、アニメとかで出そうな恥ずかしい言葉を平気で言えた。




二口「…茂庭さん。」




茂庭「今は4人しかいないけど、ここには来てない部員のためにも逃げ切るぞ。」




皆「「「うっす。」」」

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