貴方side
研磨からの指摘で気付いたけど、人数が33人で偶数だ。
貴「本当だ。一つだけ三人グループつくる?」
それしか案はない。
岩泉「そうだな。」
貴「誰が3人グループになる?」
私が皆に聞いたとき間髪を入れず徹が言った。
及川「そんなののえるに決まってるじゃん。」
そんな言葉が私達にとってどれだけ嬉しいだろう。
及川「大切な彼女だし。俺たち全員でのえる達を守りたい。」
“彼女”
その二文字の単語は私にとって嬉しすぎた。
赤葦「そうですね。」
木兎「ヘイヘイヘーイ!よく分かんねーけど、みんなで頑張ろうぜー!」
あちらこちらから、私に対しての暖かい言葉が聞こえてきた。
貴「ありがとう。頑張って逃げ切ろうね。」
皆「「「おう!」」」
貴「きいな!かいり!
絶対に逃げ切ろうね!」
きいな・かいり「うん!!」
そして、各学校の主将が集まって決めた、ペア分けが発表された。
澤村&きいな
菅原&かいり
東峰&西谷
田中&縁下
木下&成田
日向&影山
月島&山口
及川&岩泉&せな
花巻&松川
国見&金田一
黒尾&孤爪
夜久&リエーフ
海&山本
茂庭&鎌先
二口&青根
木兎&赤葦 の計16ペアが完成した。
貴「徹と一と同じだ…!」
及川「絶対に守り通すから。」
岩泉「お前は安心してついて来い。」
二人のその言葉が私の心に響いた。
徹と一が一緒なら逃げ切れる気がする。
他のペアも気を紛らわせるような楽しい会話をしているようだ。
だけど…
「残り5分デス。」
そんな言葉で現実に引き戻されるんだ…。
皆の会話がピタリと止まった。
澤村「じゃあ、最後に高校ごとに集まろう。」
大地の一言で皆は、各主将のところに集まっていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!