さとみくんとのメールを終えた、その時だった。
ピコン
誰かから、メールが来た。
誰………
東の国の王子。
なんだろ…
え、デート…?
何回かやったことあるけど…
東の王子から直接言われたことはなかったから…
ちょっとびびった…
いつもは親から言われるんだよね
うそでしょ…
自分で決めたって何?どーゆーこと?
え、どうしましょ
う〜…
すとぷり達が頭に浮かんでしまう…
あ、
いいこと思いついた。
私の思いついた案とは。
その名もさとみくんに相談。
さとみくんには本当のこと話しちゃったから、
自分の意見を通すって宣言しちゃったから、
この相談してもいいよね?
なるほど…ほんとのこと言うねー…
むず…くない?
でも、王子味方につけられたら強いかも(?)
…っていうかなんかさとみくんチャンスが英語なんだけど…
ふざけてる??
まぁ…いっか
それなら…王子に返信しなきゃ、
うぅ…ほんとに自分の気持ち話すのか…
大丈夫かなぁ…
直接言うとなると緊張が…ね?
ピコン
あ、待ってさとみくんからだ
もしかして緊張してる私を気遣ってくれて?
アドバイスとかくれたり?
しません、よね…
わぁぁ…ほんとにどう言おう…
さとみくんに言ったのそのまま言えばいいじゃん
って…
思う人もいるでしょ?
普段だったら言おうと思えば言えるわけ
でもなんか、王子自らデート誘ったんだよ?
なんかいつもと違う気がするんだよなぁ…
あー…ほんとにわっかんない…
姫のくせに何悩んでるのって?
姫だって悩むんだよ?!
こんな状況で…めっちゃ緊張しますからね?!
とりあえず、頑張るしかないか…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!