前の話
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仕事終わりに不意にスマホを見ると、まちこりーたからメッセージが届いていた。
年上の彼女は時々こういった主語の分からないメッセージを送ってくることがある。
今回送られてきた内容を見るに、恋愛ドラマか何かを見て感化されたのだろう。
まさかBL漫画だとは思わなかったけれど、スマホの向こうの彼女が悶えている姿が想像出来て思わずクスッと笑ってしまった。
なるほど、それがここに繋がるのか。
そう聞くと、まちこりーたは「そうなの!」とすぐに送ってきた。
そう言われて返信する指を止めた。
きっとそういうことをされたら私もときめくだろう。ただそれが、誰にされるか……それが一番重要なのではないだろうか。
そう返すと、今度は向こうからの返事が遅くなった。今考えてるのかなーと思いながら、今のうちに飲み物を取りにキッチンへ行く。
冷蔵庫を開けたあたりで、スマホが震える音が微かに聞こえた。
あれ、意外。
素直にそう思った。仲の良いしろせんせーや、歳の近そうなキャメロンさんの名前が上がりそうだと思ったのに。
他の奴らはすぐ体触ってきそうだしさ、というまちこりーたの言葉に納得してしまって笑ってしまった。
きっとスマホの向こうの彼女は何の気無しに言っているのだろう。
……ちょっと意地悪しちゃお。
どんな反応するんだろうとワクワクしていると。
焦ってる焦ってる。
可愛い反応だなーと思いながら返信をした。
数秒で来た答えに、少しだけどきりとした。
その時は……そうだなぁ。
可愛らしい反応にクスクス笑ってしまう。
同じ女研メンバーには見せたくない、彼女の可愛らしさは、今だけは私のモノなのだ。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!