私と廉は、1年2組になった。残念なことにマサくんだけ1組で隣のクラス。2組のdoorを開けると、もうクラスの人達は登校していて、同じ中学出身なのか、すでにいくつかのグループが出来ていた。黒板には席順の表がはってある。
あなたが窓際一番前で、廉は私の後ろ。あなたと廉は自分の席に座り、ゆりは、自分の席が溜まり場になっているからと、私の席にバックを置いて話し出した。
そんな会話をしていると、教室の後ろの方にいるグループから声がかかった。
廉を手招きしているのは、中三の時に廉とおんなじクラスだった鈴木君。
春休み中の3月31日は私の15歳の誕生日だった。
ゆりからのプレゼントは、最近女子高生に人気があるらしいブランドのリップ。ゆりも含め、中学の時からおしゃれに目覚めている女子はいっぱいいたけれど、私はメイクとかはしたこと無かった。
廉の横にいるのは、緩やかにウェーブしたロングヘアの女の子。私と違って、ねぐせなんてない綺麗な髪。
ここからじゃ、何を話しているのかは聞こえないけれど、彼女は廉に楽しそうに話しかけていて廉も笑っていて・・・・・・。
ん?なんだろう・・・・・・。少し胸がザワつくようなこの感じ。気がつけば私は、廉と彼女から目を逸らしていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!