桜の蕾が転々と見えてきて青空が桜とよくマッチングしてる。
彼女はさくらを見つめ、口角を上げている
俺はその姿に胸が高鳴りをあげる
こんな平和な日がいつまでも続けばいいのに…
会社に向かう途中。彼女のTwitterにいいねをする。
彼女は佳奈と言って、とても可愛くてしっかりした子だ。
一年前。佳奈の兄、大智に紹介され交際を始めた。最初はしっかりした子だな。と思ってたけれど、だんだん佳奈の魅力に引かれ今では僕にとっていなくてはならない存在になった
大智)よ!裕翔仕事今日も山ほどあるからな。
「え、まじですか?!頑張ります。」
パソコンに向かって文字を打って、資料を上司に見せて、その繰り返し。
やってて頭がおかしくなりそうになる。
大智)裕翔。飯行こうぜ。
「え、もうそんな時間ですか?わかりました。今日は何食べます?」
大智)カツ丼食おうぜ!
「そ、そんな食べれますかね?」
先輩はとても筋肉質で、肉系の食べ物なら大抵は好き。いつもお昼を食べる時は肉系しか食べない。
大智)お前、細いんだからもっと食えよ、だから佳奈なにも可愛いとか言われんだよ。
「うっ」
そう。僕は細身の体型で、あまりかっこいい系ではない。そこら辺がコンプレックスなんだけどね。食べようと思ってもすぐおなかいっぱいになってしまう。
定食屋のドアを開け僕達は窓側の席に座り、メニューを開く。
目の前には桜の木
「先輩。桜咲いてきましたね、」
大智)お、ほんとだ。綺麗だな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!