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第31話

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2019/03/10 00:14
そして、取柄公園に着いた私。


その向かい側には、キレイな2階建てのおうちが建っている。


表札には『與』の文字。


まちがいない、ここが與くんのおうちだ!


勢いで来ちゃったけど、いざ目の前にすると、なんだか緊張しちゃう……。


呼吸を整えながら、そろーっとチャイムに手を伸ばしたそのとき。
與 美羽
あれ? お客さん?
ふいに背後から声ぞ聞こえてきて振り返ると、とっても綺麗な女の人が立っていた。


20代くらいかな?


ヒョウ柄のスカートに、胸下くらいまであるロングの金髪。


耳には何個もピアスを開けてヤンキー風だけど、なによりすごく美人……。


つい見とれていると、その女の人が目を見開いて、ビックリしたように私を見ていることに気づいた。


ん…………? どうしたんだろう?
You💕
あ、あの……
そう声をかけると、女の人はハっと我に返ったようにさらにパっと目を見開き、それからすぐに笑顔を浮かべた。
與 美羽
あぁ、ごめんね。 真司郎の友達だよね……?
You💕
あ!  そうです!  お見舞いに来たんですけど……
真司郎って呼んでるってことは、與くんと親しい人、なのかな?
與 美羽
ごめんごめん。  自己紹介が遅れたね。
私は真司郎の姉の美羽みう
あ、お姉さんだったんだ!


あの與くんのお姉さんだもんね、どうりで美人さんだ!


たしかに、鼻筋が通ってるところとか肌が綺麗なとこは似てるかも!
You💕
私は、飛鳥あなたっていいます!
與くんのお見舞いに来ました!
ぺこりとお辞儀をした私に、ニコッと微笑みかけてくれる美羽さん。


見た目はヤンキー風でちょっと怖いけど、すごく優しくていい人そうだなぁー
與 美羽
真司郎は寝てるかも。 上がってって?
You💕
あ、はい……!
與 美羽
じゃあ、どうぞ
You💕
おじゃまします…………!
美羽さんの後に続き、おうちに上がる。


家の中は、家具や壁紙など白を基調としていて、ムダなものがなくてとても片づいていた。


清潔感があって、それでいてキレイで、與くんのらしいおうち。

廊下を進んだところで、美羽さんが一番奥の部屋のドアを勢いよく開けた。
與 美羽
真司郎!  あなたちゃんがお見舞いにきてくれたよ!
You💕
與くん、風邪大丈夫?
そっと美羽さんの後ろから、部屋をのぞくと、
與 真司郎
えっ、あなたちゃん!?

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