岸side
恋なんてもうしたくない。
あんな思いするぐらいなら…初めから恋なんてしなきゃよかった。
今でも夢に見る。
自分の性格のせいで、大好きだった人を傷つけてしまった。、あのときの顔。
こんな自分、本当に嫌になる。
電車に揺られながらため息をつく。
仕事は順調。ひっそりと暮らすことができていると思う。
目立ちたくない。一人でいたい。
ずっとそう思っている。
電車がガタッと揺れ、力を入れていなかったせいで、体が横に倒れた。
受け止めてくれた人を見ると…
俺の大好きだった人がいた。数秒見つめあったあと俺は急いでその場から離れた。
なんで、なんで廉が…なんで廉がいるの…!?
違う車両に乗り、会社に着く頃には記憶から消していた。
絶対会いたくない人だったのに…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。