片思いすぐにやめたいんだ
~ペケたんside~
彼女に告げたい。
『好きです』って。
『一目惚れ』って。
…でも、そんな勇気ない。
今まで俺に彼女がいなかった訳では無い。
何回か付き合ったことはある。
けど今思うと、
俺は『告白』をしたことが無い。
付き合った人は皆向こうから告白をしてくれた。
俺だって片思いはあった。
でもそれは、
1度も思いを告げていない。
悔しい。
なんで人間ってほんとに伝えたい時に
言えないんだろう。
たった二言『好き』ってそれだけ言えばいいだけ。
それすらも出来ない俺は…弱虫だよな。
分かってる。
怖いんだって。
相手はおしゃれなカフェの店員さん。
しかも俺が一方的に彼女を知ってるだけ。
きっと彼女は俺の事なんか覚えてない。
それに、
『彼氏』がいないとは限らない。
あれだけ可愛ければ彼氏がいてもおかしくない。
もし俺が…
シルクみたいにリーダーシップに溢れていたら
マサイみたいにイケメンで負けず嫌いだったら
もっきゅんみたいに優しさで溢れていたら
ザカオみたいに好きなことに直向でいられたら
ダーマみたいに周りを笑顔に出来たら
ンダホみたいに
頑張り屋さんでみんなを笑顔にできて素直で
人のために何かできていたら
1つでもいい。
俺にもそんなところがあればどれだけ心強いか。
でも、やっぱ…。
諦めたくはない。
ンダホに取られたくない。
今はまだ勇気が出なくても
いつか絶対言う。
『好きです!』って。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。