将軍様が、そう、亡霊話をしていた時だった
とある少女が笑いだした。
「 やめなさいっ!! 」
「 やめてくれ…… 」
「 あいつ…生きて帰れねぇぞ…… 」
私は唖然とした。
あの子は笑うことしか出来ない。
そんなの分かってる。そうさせたのだって、
私はそっとその子の口を抑えた
が、時既に遅く将軍様はカンカンにきれていた
土下座をして頼む、が、
将軍様の答えは聞こえてこない。
…… 人が死ぬのか、またあの赤い血が流れるのか
鬼のように自我を失い襲うわけでもあるまい
人間が人間を殺すんだ。
…… 勘弁して欲しい
ベシン ______ 、
頭をあげると、小紫花魁が将軍様に1発、
くらわしていたのが見えた。
そんなことしたら、
小紫花魁まで殺されてしまうでしょう…?
ここで、将軍様の命の根を止めた方がいいの?
間違えてはならない。
わたしのこれからがかかってる。
…… やらなくちゃ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!