第7話

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2020/11/22 06:31
晴人
晴人
む〜…
この前ルミネに行ったときに太我と2人で撮った写真を見つめる。久しぶりに2人で写真を撮った。太我は俺の隣で真顔でピースしている。ただ写真を撮っただけなのにすごく嬉しい。最近、なぜかあいつ相手にドキドキしてしまうことが多い。
晴人
晴人
(セックスしてるからかなぁ…)
これじゃあいつのこと好きみたいじゃないか。
そんなわけない。たしかに他の友だちよりも太我は特別だけど、体の関係も持ってしまっているけど、でも恋愛感情なんてものはない。ないに決まってる。
俺たちはほんとは女の子が好きで、だからこの関係も彼女ができるまでという制限時間があるんだ。彼女がいないから男同士でセックスなんかしてるんだ。
それだけだ。好きなわけじゃない。
でもじゃあなんで、あいつに心配されてあんなに嬉しかったんだろう。
なんであいつに手を引かれてドキドキしたんだろう。
なんで体だけの関係がこんなに悲しいんだろう。

好きなのかな。

でも好きでもどうにもならないじゃないか。
じゃあ、やっぱり好きなんて思い過ごしってことにした方がいい。フラれるってわかってるんだから。それにほんとに思い過ごしかもしれないんだから。

そう考えても、太我が「はる」って言って笑ってる顔が頭から離れなくて、なんだか泣きそうになった。

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