第3話

捜索
80
2019/12/24 16:32
羽柴 百合
羽柴 百合
着いた、ここだ…!
やっとの思いで辿り着いたのは隣町の海沿い別荘地。
どうしてここに麻弥が…?と思いつつも手当たり次第近隣のお宅へ情報を集める。
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羽柴 百合
羽柴 百合
…ふぅ
あれから色々と調べ回った結果、これと言って大きな収穫はなかったが、
「高校生くらいの女の子ならあの屋敷へ向かったと思う。チラッと見ただけだから確信は持てないが」
という有力な情報は手に入れられた。
因みにあの屋敷とは少しだけ別荘地一帯と離れた森の近くにある家だ。
羽柴 百合
羽柴 百合
(よし、行ってみよう)
前々から怪しい家だと思っていたが、麻弥が入ってしまったなら
探すしかない。勇気を出さなければ。
羽柴 百合
羽柴 百合
…お邪魔しまーす……?
ギィィ…と年季の入った両面開きの木製ドアが軋んだ。
恐る恐る中へ入ると…
羽柴 百合
羽柴 百合
わぁ…装飾品でいっぱい…
そこはまるで中世紀のお城のようで、
私を歓迎してるのか、天井から吊るされたシャンデリアが小さく揺れた。
下を見るとテレビでしか見たことのない赤い絨毯が長い階段へと続いており、
横を見ると西洋騎士の甲冑や手彫りの彫刻が飾られていた。


前々からヨーロッパ史に興味の持っていた私は今目が輝いていることだろう。
こんなに間近で見られるなんて。
羽柴 百合
羽柴 百合
すごい綺麗…まるで最近まで誰かが住んでたみたい…
ふと思ったことが口に溢れる。
だが、思い返すと近隣の家の人たちは皆、口を揃えて
「あの屋敷は何年前かに持ち主が死んでいるから誰も住んでいない廃墟」と言っていた。
羽柴 百合
羽柴 百合
じゃあ、誰がここを管理してるんだ…?
謎は深まるばかりだが、とりあえず麻弥を探さなければ。

どこかに地図はないかと見える範囲で探してみるが見当たらない。
すると、後ろからバタン!と音がしたので振り返ってみると
正面出口のドアが閉まっている。
羽柴 百合
羽柴 百合
…ぁっ…!どうして…!?
こんな所で閉じ込められていたら麻弥が捜せない。
その一心でなんとかこじ開けようと試みるが、その願いは無念に終わった。

羽柴 百合
羽柴 百合
…どうしよう……とりあえず、脱出方法を見つけなきゃ…
早めに出たい私はここでの麻弥の捜索も兼ねて
屋敷全体を回ることにした。

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