第317話

317 (S2) *君たちと見る未来05
618
2023/01/24 15:00


と、何やら喧嘩になり出した。


そんな2人のやりとりを見て、なんだか笑いが込み上げた。

あははっ!!

と笑うと、2人が同時にこちらを見る。

Kanade
Kanade
ねえ、響、ルキにゃん。
いつか、時代が変わって、Kanadeがカナデとして受け入れられる日。
本当に来るかな?
女屋 琉輝(るきにゃん)
女屋 琉輝(るきにゃん)
ん? なに?
カナデが、かなでとして受け入れられる日って?
なぞなぞ?
きっと響は、お兄ちゃんを説得するために言ってくれた言葉なんだと思う。

今のあたしでは、この社会のままでは、まだ認められない。


でもいつか、Kanadeが新垣花奏でもいい日が来るのなら、見てみたい。

リスナーに嘘をつかないでもいい。

どんな姿形をしていようと、あたしを受け入れてもらえる、そんな日が来ることを。
水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
くるよ。必ず
そう彼は自信たっぷりに、微笑んだ。



水石 響(ひーちゃん)
水石 響(ひーちゃん)
花奏でもKanadeでもない者としてステージ立つ日。
その時、俺は隣にいて、一緒に歌いたい
女屋 琉輝(るきにゃん)
女屋 琉輝(るきにゃん)
僕も!
どんなKanadeくんであろうと、そばにいるよ!!
と、琉輝がピンと手を伸ばして応えた。

そんな姿を見て、自然に笑みが溢れる。


ここに、あたしの仲間がいる。


この場所なら、きっとあたしはあたしでいられる。

”いつか”ではなく、必ず彼らと一緒に立とう。


Kanade
Kanade
うん、あたしもみんなと一緒に、
スイプリとしてステージに立ってたい


きっと、あたしたちは、お互いが放つ輝きを受け止め合う関係。それは唯一無二の存在。


だからもう戻れない。離れられない。

未来へと向かって駆け抜けるしかない。

理想の世界へ、あたしの夢の先にある世界へ、止まることなく進むしかない。


君たちと、

スイーツプリンスの”カナデ”としてステージに立つ日まで。





—— end ——

★あとがき★


『低音ボイス男装女子は高音ボイス王子に愛でられる(S2)』

最終話をご覧くださりありがとうございました。

これにてこの作品は完結となります。

手探りで始めた男装アイドルのお話も、気づくと1年近く連載していました。

ほぼ毎日、彼らの物語を書いてきた生みの親としては、もう書けないんだということが寂しく思います。


そして毎日連載にも関わらず、最後まで追いかけてくださった読者の皆様には感謝しかありません!

最後までありがとうございました!!! 


この御恩は作品にてお返ししていけたらと存じます!

差し出がましいお願いではありますが、感想など頂戴できましたら大変嬉しいです!

スタンプでも、いいねでも、なんでも、喜びます!



また、報告ですが。

Spotifyで、1月下旬より

拙作の『透明なフィルムの向こう側で息をする』が、ボイスドラマ化します!


詳細な日付は近々情報が解禁されるかと!!


声を担当なさるのは、なななんと!


映画「なのに、千輝が甘すぎる。」に出演なさる莉子さんと、


「イタズラなKiss」
「5時から9時私に恋したお坊さん」
「ラブリラン」など

ラブストーリーにはお馴染みなイケメン俳優の古川雄輝さん!!

どちらも旬の俳優さんと女優さんとなります! 

有名すぎるキャスティングで息の仕方を忘れそうです!


真面目な女子高校生と、

訳ありな引きこもりのおじさんの切ないきゅんラブとなっております!

是非ともお楽しみいただけたら幸いです。

では新作をお届けできる日まで、少しお休みをいただきます。


もしよければ、通知が届くようにフォローしていただけますとありがたいです!
(Twitterでもコソコソ呟いているので、よかったら!)

では、皆さんにお会いできる日まで!


桜海 とあ




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