もうすっかり日が暮れて、私たちは寮に戻ることにした。
帰り道、夏油くんが
夏油「帰ったら私の部屋でお食事会でもしないかい?」
なんてセクシーボイスで言ってくれたよ…生きててよかった、、。
というのはさておき、お食事会を提案してくれたため
買い出しに行くことになった。
悟くんと硝子は もう疲れたから先帰ってる〜 なんていって2人で戻って行ったけど、私はなんとしてでも夏油くんと話すきっかけがほしくて残ってやったさ(?)
スーパーへと徒歩で歩く。
夏油「そういえばあなたちゃん、悟に毎回やられているようだけど」
夏油「悟のことは憎まないでいてくれないか。」
『………?』
私がどういうこと?というように頭にはてなマークを浮かべれば、また夏油くんは言葉を続けた。
夏油「あれは一瞬の愛情表現なんだよ。ああみえて悟は、繊細な部分を持っているからね………まぁ、自分にとって嫌なあだ名で呼ばれるのは君も凄く嫌だろうけれど、、笑」
『愛情表現……』
夏油「それに…悟は気を許している人にしかああやって接することは出来ないからね。もしかしたら案外、2人仲良くなれるかもしれないね」
そういってふふっと笑った夏油くん。
『じ、冗談じゃないよ!』
なんて慌てて言えば 「例えばの話だよ、例えば笑」 そういった。
スーパーでかった、お肉に野菜に調味料…それらの大半は夏油くんの助言の元購入したようなもんだ。
もしかしたら私は元々要らなかったのかもしれないなんて気も起きてしまう。
持つよ なんていって買い物袋をぶら下げた夏油くんは、私よりも一回り大きい影を纏って歩いていた。
next.
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。