第59話

いじわる王子とメイド


私と玲於は似ている。




どっちにも誰にも言えない過去があった。





私はお母さん、お父さんのことを悔いた。
大切な人を亡くした。





玲於は彩葉さんのことを悔いた。
大切な人を無くした。




最初の出会いはとてもいいものではなかった。



玲於は私に意地悪をした。
無理やりメイドにならせた。



私は玲於に反発した。
でも、家族のためとメイドになった。




赤の他人から

憧れの存在と他人になり、

メイドとご主人様になった。

出会った頃より打ち解けあった。


関係が変わるぶん心も変わっていった。


私は玲於に過去を話、玲於は私に過去を話した。


私達は支え合いながら今。生きている。


だから、玲於の後悔も苦しみも私が全部背負うから。


──────「付き合ってください」


といった
中務あなた
中務あなた
玲於。答えは。
佐野玲於
佐野玲於
俺は、あなたに俺の過去を背負いさせれない。
中務あなた
中務あなた
そっか………



だよね。と心で呟いた。
泣きそうだった。
息を吸って心を落ち着かせる。


「でも、」と、玲於が言った
佐野玲於
佐野玲於
俺だけ。背負いさせちゃダメだ。
……俺はあなたの過去を背負いたい。

次は俺から言うよ
佐野玲於
佐野玲於
命令。
あなたは俺に頼って、俺はあなたに頼る。
そして、俺のことを好きになって。
付き合おう。



「付き合おう」。言葉の欠片が私の心に染み付いた。

さっきの涙を零してしまう。
今のは嬉し涙。
中務あなた
中務あなた
はい…!


私は抱き締められた。
そして、唇にキスを落とした


3回目の本命のファーストキス。

嬉しくて胸が苦しくなる。
この苦しみも幸せだ


中務あなた
中務あなた
大好き…っ


そう言うと玲於は照れた顔をしながら
「俺は愛してる」と言った。




…………………………………………………
中務あなた
中務あなた
玲於……この手。離して
皆いるから
佐野玲於
佐野玲於
あなたは俺のものってみんなに見せびらかしてるからいいの!!
片寄涼太
片寄涼太
う~~わ。朝からイチャイチャしてるわ~
鷲尾伶菜
鷲尾伶菜
リア充…死ねばいいのに
片寄涼太
片寄涼太
伶菜さん。怖いです……
白濱亜嵐
白濱亜嵐
一番、死んで欲しいと思ってるのは多分…隼だよ。
小森隼
小森隼
ちっ……はぁ…龍友くん。ジム行こ…ストレス発散したい
数原龍友
数原龍友
お、おぉ。


その隼のイライラしている光景を見たのかニヤッとしながら、私の首にキスをした。

みんなこっちを見て口を開けている
小森隼
小森隼
もぉぉぉぉぉ!!やだ、こいつら!!!
数原龍友
数原龍友
隼!!落ち着け!!


すると、ドタバタと廊下から音が聞こえる。
ドアを勢いよく開けたのは…メンディーさんだった
関口メンディー
関口メンディー
皆様!!明後日、お父様が帰ってこられます!!









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お父さん
お父さん
久しぶりだね。
??
はい。お久しぶりです
お父さん
お父さん
君には僕と日本に帰ってもらって、玲於とあと…3年間。仲良くなってもらうよ。

…大丈夫か。君なら。前から知り合いだもんね。
玲於を宜しくね
??
はい。今度は玲於の婚約者フィアンセとして、仲良くなりたいなと思います
お父さん
お父さん
それでは。また明後日。
??
はい







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美咲彩葉
美咲彩葉
玲於…元気かな。



“また、会えるといいね。
その時はよろしくね“






“ずっとずっと大好きです“