第77話

いじわる王子とメイド
Reo_side

佐野玲於
佐野玲於
くっそ!
待合室に俺の声が響く。
ここは病院。

何があったかと言うと


崖に追いつめられ、俺とお父さんが話してる時に彩葉があなたを下に突き落とした。
あなたは海に転落。
傍にいた警備員が直ちに行動してくれた。

救急車が来て、運ばれていって、今治療中。

待合室にはお父さんと彩葉だけ。
中務先生と壱馬には連絡した
美咲彩葉
美咲彩葉
………
佐野玲於
佐野玲於
はぁ…なんで、


何も言わない彩葉にイラつかせると同時に“手術中“の赤いランプがパチッと消えた。

自動ドアからベットの上に目を閉じているあなたが運ばれてくる
先生
あなたさんのご親戚の方は…
佐野玲於
佐野玲於
親戚じゃないですけど…はい
お父さん
お父さん
あなたさんは…
先生
はい。一応治療はすみました。が、まだ生死の中をさまよっています。
もし、3日間、目を覚まさないようでしたら…
佐野玲於
佐野玲於
亡くなっているんですか…?
先生
はい。…そうですね。今から一般病棟に運ぶのでご案内します。
佐野玲於
佐野玲於
はい。


“亡くなる可能性がある“その言葉だけ頭を駆け巡る。
なんで、なんで。ただ俺たちは一緒に幸せに暮らしたかった。

なのに…全部俺のせい?

逃げようって言った俺のせい?
守れなかった…
お父さん
お父さん
玲於。玲於!!!
佐野玲於
佐野玲於
……何。


いつの間にか、一般病棟には着いていて目の前には目を瞑っているあなたの姿。

その横に彩葉とお父さんが居る。

お父さんは俺たちを待合室に連れ出した。
お父さん
お父さん
彩葉さん。違う所にいてもらっていいかな?
美咲彩葉
美咲彩葉
分かりました。
お父さん
お父さん
後で、呼ぶから


彩葉が出ていって男ふたりだけ
お父さん
お父さん
あなたさんの件は悪かった。
ただ、お前らが悪いんだぞ。
…子供の恋愛を大人が巻き込むな
佐野玲於
佐野玲於
は?……俺達はただ一緒にいたかっただけなのに。邪魔したのはお前らだろうか
お父さん
お父さん
分かってんだろ。婚約者がいることぐらい
佐野玲於
佐野玲於
……知らない。何がいけないんだよ。
人を好きなることがなにが……俺の勝手だろ!!
佐野玲於
佐野玲於
俺はお父さんを昔から憎んでた。お母さんが死んだ時からずっと。
なのに、お前はあなたをお母さんと同じめに合わせた。
お父さん
お父さん
……っ、
佐野玲於
佐野玲於
なんか言えよ!!
俺は、あなたがいるだけでそれでいい。
最月家から縁切ってもいい。
それぐらい…好きなんだよ


一気に叫んだせいで息が荒くなる。
沈黙がはしる。ただ俺は、お父さんの発言だけ待っていた。

ふっと笑って、待合室のドアを開けた
お父さん
お父さん
もうお前のすきにしていい
佐野玲於
佐野玲於
…は?
お父さん
お父さん
彩葉さんとの婚約もなしにする。…俺の後も継がなくていい。
佐野玲於
佐野玲於
突然…なんだよ
お父さん
お父さん
…お前があとを継ぎたくないことは分かっていた。家に中務先生が来てな。ダンスをまだやってる事が分かった。
だけど、無視してた。お前の意見を。

ごめんな。
母さんのことも、あなたさんのことも


そう言って、静かに待合室を出ていった。
俺は呆気なくて、口をポカーンと開けたまま。


直ぐにあなたの病室に行く。
目は…瞑ったまま
佐野玲於
佐野玲於
あなた。…もう大丈夫だから。ねぇ、目を覚ましたよ。…あなた

涙が零れてくる。
泣くなんてかっこ悪い、、。ごめんな。こんなかっこ悪い自分で。


あなたに会いたい。あなたと笑い合いたい。
それだけでいいから


──────目を開けて







スリッパと床が擦れる音をなりながら、玲於かお父様が来たんだと分かった。

後ろを見ると、深刻そうな顔をしたお父様
美咲彩葉
美咲彩葉
お父様…ちゃんと、玲於とは話したんですか?
お父さん
お父さん
あぁ、…彩葉ちゃん
美咲彩葉
美咲彩葉
はい?
お父さん
お父さん
玲於との婚約を解消する
美咲彩葉
美咲彩葉
……は?なんで、
お父さん
お父さん
君は違う人と婚約してもらうよ。安心しなさい。君の家の企業との契約は切らないから。最月家の人間だから大丈夫だよ
美咲彩葉
美咲彩葉
私は玲於を…
お父さん
お父さん
ごめんな。


そう言って、お父様は私の横を通った。
は…?なんで、?

美咲彩葉
美咲彩葉
私は玲於のために…


あぁ、全てが逆効果だったんだ。
美咲彩葉
美咲彩葉
私のバカ……


また失敗してしまった。