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第72話

いじわる王子とメイド
午前零時。

ちょうど日曜日になった時。

鷲尾伶菜
鷲尾伶菜
あなた。
静かに出るよ
中務あなた
中務あなた
うん


荷物のリュックを持って、伶菜に着いていきながら裏口を目指す。

まだ、最月家のお父様の部屋には明かりがついていて、それが不安材料になる。

関口メンディー
関口メンディー
伶菜さん。あなたさん
鷲尾伶菜
鷲尾伶菜
メンさん!!


兄弟の家の玄関に着くとメンディーさんが立っていた。
いつも通りの黒のスーツをビシッと着こなしていた。

が、やっぱりメンディーさんも不安なのが伝わってくる
関口メンディー
関口メンディー
裏門を開けてきました。
今、案内します
鷲尾伶菜
鷲尾伶菜
裏門なんてあったんだっ
関口メンディー
関口メンディー
本当は警備がいるはずなんですが、執事の特権で開けてもらいました
中務あなた
中務あなた
ありがとうございます。


門みたいのが見えてくると、そこにはお兄ちゃんと壱馬が立っていた。

手を振ってくれている
鷲尾伶菜
鷲尾伶菜
裕太さんと壱馬に連絡して、車用意してくれた
中務あなた
中務あなた
そっか。ありがとう
中務裕太
中務裕太
あなた。
中務あなた
中務あなた
お兄ちゃん。壱馬。久しぶり。
川村壱馬
川村壱馬
久しぶり。
関口メンディー
関口メンディー
それではあなたさん。
中務あなた
中務あなた
はい。
関口メンディー
関口メンディー
私はここでお別れです。
中務あなた
中務あなた
そうですか……


お別れ
その言葉が私の胸を抉る。
永遠の別れじゃないはずなのに。

色んなメイドの仕事を教えてくれて。
今日みたいに、準備してくれて、
中務あなた
中務あなた
メンディーさん。色々とありがとうございました!
関口メンディー
関口メンディー
また、一緒に仕事する日が来るといいですね。
……玲於もよろしくお願いします。
中務あなた
中務あなた
はい。それでは。



最月家の敷地から私はいつもの通学路に飛び出して言った。

ありがとう。メンディーさん。
その思いを込めて
鷲尾伶菜
鷲尾伶菜
玲於のほうに龍友、亜嵐、隼、北人、樹がいる。
今、LINE来て無事抜け出したって
中務あなた
中務あなた
良かった……
白濱亜嵐
白濱亜嵐
伶菜!!あなた!!
中務あなた
中務あなた
亜嵐!!
小森隼
小森隼
良かった~抜け出せたんだね


スマホのライトをつけて、皆がいるか確認。
全員いて、ちゃんと玲於もいた
佐野玲於
佐野玲於
良かった……
中務あなた
中務あなた
玲於、大丈夫だった?
佐野玲於
佐野玲於
頑張って、彩葉の目から抜け出せた
中務あなた
中務あなた
おつかれ


そんなたわいもない話をして、お兄ちゃんの車が止まってある所に全員で向かう。

スマホから出てる光の先に赤い車があった
中務あなた
中務あなた
もう、皆とお別れか…
中務裕太
中務裕太
はい。乗って。
壱馬は前の席ね
川村壱馬
川村壱馬
は~い


玲於と私は後部座席に座る。
ちゃんとリュックを膝の上に置いて、車に乗る
中務裕太
中務裕太
じゃあ、出すか。

車のエンジンをかけ、もう行く時間だと改めて分かる。
窓を開ける
中務あなた
中務あなた
皆、色々とありがとう。
佐野玲於
佐野玲於
なんか…ごめんな。こんな夜遅い時間に迷惑かけて
片寄涼太
片寄涼太
いいよ。俺たちはただ、玲於とあなたが幸せに過ごせればいいんだから
数原龍友
数原龍友
頑張れよ
鷲尾伶菜
鷲尾伶菜
じやあね…あなた。グスッ
白濱亜嵐
白濱亜嵐
伶菜。泣くなよ
小森隼
小森隼
そうだよ。、…グスッ
白濱亜嵐
白濱亜嵐
や、お前も泣いてんじゃん
小森隼
小森隼
だって、、


そんな、涙と笑いの中、真剣な目をしている北人と樹の姿があった
吉野北人
吉野北人
大丈夫?
中務あなた
中務あなた
うん。北人も樹もありがとう
藤原樹
藤原樹
絶対に約束
吉野北人
吉野北人
幼なじみの
鷲尾伶菜
鷲尾伶菜
じゃあ、私も!

幼なじみで、指切りげんまんをして約束を誓った。
北人はなんだか泣きそうだった
中務裕太
中務裕太
じゃあ行くぞ
中務あなた
中務あなた
うんっ
佐野玲於
佐野玲於
じゃあな。お前ら。
中務あなた
中務あなた
じゃあね
白濱亜嵐
白濱亜嵐
元気でな
鷲尾伶菜
鷲尾伶菜
絶対帰ってきてね!



皆に見送られながら車は発車する。
後部座席から後ろを見たら小さい皆。だけれど手は大きく振ってくれていた






.
中務裕太
中務裕太
じゃあな

駅に着いて、ホームで4人でいる
佐野玲於
佐野玲於
色々とありがとうございます
川村壱馬
川村壱馬
別に。だけど、俺の姉ちゃん。あぶないめに合わせるなよ
佐野玲於
佐野玲於
それは大丈夫です。多分…
中務裕太
中務裕太
あなた。
中務あなた
中務あなた
ん?
中務裕太
中務裕太
お兄ちゃんは、あなたが幸せになることを誰よりも望んでるからな
中務あなた
中務あなた
……うん。


私たちが乗る電車がまもなく到着するとの放送が聞こえ、もう行く時間か…と思う
中務裕太
中務裕太
ほら。行ってきな
川村壱馬
川村壱馬
じゃあな。お姉ちゃん
中務あなた
中務あなた
ありがとう…っ。


こんなに皆の優しさを貰うなんてこと全然予想してなかった。

玲於と手を繋いで、改札をすり抜け駅のホームに2人で立つ。

今来る電車は朝一番の電車。
だから周りは誰もいない
佐野玲於
佐野玲於
……皆優しかったな
中務あなた
中務あなた
うん。
2人で少しだけ泣いて。

また私達は前を見る。



この2人でずっとずっと。












美咲彩葉
美咲彩葉
うう…む。玲於…おはよう。


ドアが閉まっている玲於の部屋のドアの前に、来て、おはようの挨拶をする。

この時間なら必ず起きるから

だけど、いつもと違って玲於の起きる音が聞こえない
美咲彩葉
美咲彩葉
玲於!!玲於!!

全然返事が聞こえず思い切ってドアを開ける。

だけど、そこには思わぬ光景が広がっていた。


綺麗に畳んであるベット。
少しだけ少なくなっている家具。
美咲彩葉
美咲彩葉
……玲於がいない……