無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第68話

いじわる王子とメイド
Ryuto_side



あなたの様子がこの頃、凄く辛そうだった。


察しがつく。


玲於のことを考えているんだろう。



玲於が消えてから、僕達は何かが変わった。

みんな、仮面を被っているように。
PIERROTのように。


俺もそう。


本当は辛くて


あなたの無理そうな笑顔を見ているだけで胸が締め付けられて。



でも、周りを見たら全員、多分俺とおんなじ気持ち。





彩葉ちゃん……僕は彼女の裏を見たことがある。


昔、彩葉ちゃんがまだいた時。
だから…正式に付き合っていた時。

玲於と仲良かったメイドさんがいた。



だけど、彩葉ちゃんは彼女にいわゆる“虐め“をし、メイドを辞めさせた。


なんどか、彩葉ちゃんに注意したけど効かなかった
数原龍友
数原龍友
もう…限界か。
関口メンディー
関口メンディー
どうしたんですか?
数原龍友
数原龍友
あ、…いや、玲於のこと
関口メンディー
関口メンディー
…………


玲於の名前を出せば、メンさんは黙るようになった。
1番仲良かった2人だから。余計。
思い出が胸を締め付けるんだろう
数原龍友
数原龍友
メンさん。
…土曜日に玲於の部屋の掃除。あなたに任せていい?
関口メンディー
関口メンディー
ですが…っ
数原龍友
数原龍友
俺に試したいことがある
関口メンディー
関口メンディー
……分かりました





土曜日


土曜日は毎週、専用メイドとメンさんが俺たちの部屋を掃除してくれる。

玲於が居なくなってから気をつかってか、玲於の部屋の掃除はメンさんがやることになっていた


だけど…今回は
数原龍友
数原龍友
あなた
中務あなた
中務あなた
何?龍友
数原龍友
数原龍友
言い難いんだけどさ…

玲於の部屋の掃除やってくれん?
中務あなた
中務あなた
……え?
数原龍友
数原龍友
今日、メンさん、違う用事でここにいないし。
伶菜も忙しそうだから
中務あなた
中務あなた
………
数原龍友
数原龍友
お願い!!
中務あなた
中務あなた
分かった
数原龍友
数原龍友
ありがとう!!






…………………………………………………

あなた_side
龍友にお願いと言われて、少し迷った。

玲於の部屋に入ったら何かが壊れてしまいそうで怖かった


だけど、気になる欲も出てしまって了承してしまった



息を一旦整えて、ドアを開ける。


開けた瞬間、眩しい光が私を包んだ。



中務あなた
中務あなた
っ……


そこには真っ白な部屋。

布団と机だけが置いてある。

あとの家具は全部あっちに持っていったんだ………


だけど……空気は変わらない。
中務あなた
中務あなた
…玲於の匂い…

久しぶりに嗅いだ、爽やかな匂いが私の涙腺を緩める。

泣かないって決めたのに…
中務あなた
中務あなた
ずるいよ…!!玲於!!


全部、思い出も全部。あっちに持っていったけど私の大好きな温もりはこっちに置いてくなんて。


中務あなた
中務あなた
玲於…。


目が熱くなり、いつの間にか涙を流していた。
拭っても拭ってもどんどん落ちてくる透明な液体。

私は座り込んで、赤ちゃんみたいに泣きじゃくった。






“さようなら“はまだ言えないから。

この温もりは私の宝物だから。


誰にも取られたくない

数原龍友
数原龍友
やっぱり……






.
数原龍友
数原龍友
あなたも“玲於も“限界か………







そのあと、泣き止んでちゃんと掃除をした。
下に降りたらちょうどいた涼太に抱きついた。


そしてまた泣いた。

泣き止んだら皆が周りにいて、少し恥ずかしかった………


夜。
お風呂に入ろうとしたら、龍友が呼んでるとのことで、メイド寮の前にいる。
中務あなた
中務あなた
龍友!!
数原龍友
数原龍友
ごめん。呼んだのに遅れた
中務あなた
中務あなた
大丈夫!!
数原龍友
数原龍友
ちょっと行きたい所あるんだけど
中務あなた
中務あなた
うん!!どこ?
数原龍友
数原龍友
この屋敷から出るんだけど……


だんだんと夜が短くなってくる。

6時なのにまだ夕方近い

また夏がやってくるのか、、、

2人で話しながら歩く。



そして、近くの公園に着いた
数原龍友
数原龍友
ここ。
中務あなた
中務あなた
ここ?
数原龍友
数原龍友
入って
中務あなた
中務あなた
う、うん………っ!?
数原龍友
数原龍友
行ってきな
中務あなた
中務あなた
……うん。


見たことある背中。


茶髪の色素の薄い髪。


白い肌。



──────────彼だ
中務あなた
中務あなた
玲於!!


玲於の背中に私は真っ直ぐ抱きついた。

佐野玲於
佐野玲於
あなた……!!


久しぶりに私の名前を呼ぶ玲於を見て、少し涙が出そうだった。


私の大好きな温もり


抱きしめあった。
中務あなた
中務あなた
玲於…なんで、ここに?
佐野玲於
佐野玲於
あなたに言いたいことあってきた





抱きついていた手をほどかして、真っ直ぐな目で言った





.
佐野玲於
佐野玲於
ここから逃げよう