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2019/04/29

第8話

第1幕 遠き日の序曲 3


屋敷の外壁と同じ色で施された噴水のふちに、その少女は腰掛けていた。

ハニーブロンドの柔らかそうな髪によく似合う、
赤いワンピースを着ている。


後ろ姿しか見えないため、表情は伺えないが、
胸元で耳の生えた「なにか」がうごめいている。
ホームズ
ホームズ
(猫?・・・いや・・・)
ホームズ
ホームズ
( 熊か? )
メアリー
メアリー
ねぇ、くまさん。

みんな、うわさばなしばかり。
たにんの ふこう は、ただのたにんごと。
少女はテディベアに話しかけている。
メアリー
メアリー
お父さまがお母さまを ころすはずない。
お父さまとお母さまはとってもなかよしだもん。

お父さま、とっても泣いてたもん。

ほんとうのことを知らないくせに。
みんななにも知ろうとしない。

見ようともしない。見つけようともしない。
ホームズ
ホームズ
( ・・・。 )
メアリー
メアリー
だからわたしが、
ぜったいぜったい
しんはんにんを見つけるの、、!
そうテディベアに語りかける彼女の声は
凛としている。

しかし、項垂うなだれるように力なく肩を落とす後ろ姿は泣いているように見えた。




それはとても寂しげで。
ホームズ
ホームズ
・・・・・お嬢さん。
ホームズは、
声をかけずにはいられなかった。

もちろん、話しかけるために近寄ったのだが、
それとは違う意味で。






つづく