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2019/04/08

第1話

プロローグ
少女は、泣かなかった。



少女の目に光る溢れんばかりの涙は、
瞳を揺らしたまま、零れることは無く。

小さな唇を噛み締めながら、
知らない男達に連れていかれる父の背中を
まっすぐ見つめていた。


大きなテディベアを抱きしめながら、
動かなくなった母が入れられた箱を乗せた馬車が遠ざかっていくのを
まっすぐ見つめていた。




『淑女は簡単に涙を見せてはならないのよ』
少女の頭の中で、母の教えが、もう二度と聞けない母の声でリフレインする。
少女は、泣かなかった。





つづく