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2019/06/03

第15話

第1幕 遠き日の序曲8
※こちらのお話は、サウンドドラマ化されております。
YouTubeにて無料でご視聴いただけますので、
ぜひ合わせてご覧くださいませ。

↓第1幕 遠き日の序曲8
https://www.youtube.com/watch?v=NI5K-korTYE
 靴を脱いで両手を使い、彼女は高い椅子に上がる。


もちろん、テディベアを抱きしめたまま。



ホームズ
ホームズ
ではお嬢さん。 
昨日のことを思い出せる範囲でいいから、 聞かせてくれるかい?
メアリー
メアリー
うん。
えーと、昨日は朝 7:00 に起きたわ。

お父様をお見送りして、お母様と朝ごはんを食べて、その後はアンナとお勉強をしたの。

お昼になって、お母様とお昼ご飯を食べて、 お天気がいいから午後はお庭であそびましょってなって、お母さまとお庭で遊んだわ。


えと、3時になって、いつものティータイムは、お庭のテラスでいただいたわ。

でね、おやつを食べたら眠くなって。 お母様も少し疲れたから、お部屋でお昼寝しましょうって、おうちに上がったの。

それでね、
いつの間にか寝ちゃって、起きたらお母様が・・・。
レストレード
レストレード
・・・。
ホームズ
ホームズ
お嬢さん、君はよくお昼寝を?
メアリー
メアリー
いいえ。 
でもその日はなぜかとっても眠くなったの。
ホームズ
ホームズ
なるほど・・・。
メアリー
メアリー
なにかわかったの?
ホームズ
ホームズ
ぼんやりと。

だがまだだ。
まだ、パズルのピースが手元にあるだけで、パズルが組み終わったそこに描かれているものはわからない。

それをこれから見つけなければかな。
メアリー
メアリー
・・・。
ホームズ
ホームズ
なにか?
メアリー
メアリー
う、ううん!

えと、これからどうするの?
ホームズ
ホームズ
母上の部屋を見せてもらう。
メアリー
メアリー
!!

わたしもいく。
ホームズ
ホームズ
しかし・・・
メアリー
メアリー
行くっ!!!
ホームズ
ホームズ
・・・なら決して、部屋にあるものに触れてはだめだ。 守れるかい?
メアリー
メアリー
あたりまえよ!
ホームズ
ホームズ
よし。
では、案内してもらえるかな?
メアリー
メアリー
うん!

こっちよ!






バタン












それまでは生き生きと
屋敷内を案内をしていたメアリー嬢だったが、

リーズベット夫人の部屋についた途端、急に大人しくなった。
メアリー
メアリー
・・・・・っ。
ホームズ
ホームズ
・・・ん?
彼女の小さな手が、ホームズの上着の裾をぎゅうと掴む。 



床に散乱した本



倒れた椅子


割れた花瓶


吐いたであろう血の痕


恐々としたその現場は、まだ小さな彼女にはあまりにもつらすぎる。


あたりまえだ。

とホームズは思った。
ホームズ
ホームズ
お嬢さん、やはり・・・
メアリー
メアリー
だいじょぶですっ!
どこがだ。 とホームズはため息をつく。


全く、女というものは頑固である と、
口から出そうになったのを慌てて抑えた。



ホームズ
ホームズ
それにしてもこの現場・・・不自然だ。
メアリー
メアリー
ふしぜん?ってなあに?
ホームズ
ホームズ
異様ってことだ。
メアリー
メアリー
いよお?ってなあに?
ホームズ
ホームズ
あー・・・変ってことだ。 

司法解剖の結果、夫人は即死。
ならばなぜこんなに部屋が荒れているのか。



えーと、レストレード君のメモ書きには・・・
 









【おそらく死ぬ際に苦しもがいて暴れたがため】









・・・・。





ホームズ
ホームズ
おい誰だあいつを警察官にしたのは。 

即死の意味がわかってないのか?!




・・・まあ、あいつがぽんこつなのは今に始まったことじゃないか、と、ホームズそこで着地させることにした。






ホームズ
ホームズ
・・・なあ、お嬢さん、
母君は片付けができない女性だったのかな?
メアリー
メアリー
そんなことないわ。 
お母様はとても綺麗好きよ。

こんなに汚いお部屋はじめて・・・あ!!
メアリー嬢が急に駆け出す。
ホームズ
ホームズ
あ、おい、足元に気をつけたまえ 花瓶の破片やらが・・・
彼女は、窓際のテーブルの前で足を止め、
その上にぽつんと置かれたティーカップを見つめた。
メアリー
メアリー
お母様のお気に入りのティーカップ! 

・・・割れてなくてよかった。
ホームズ
ホームズ
っ!!
触ってはだめだ!
それには毒がっ!!






・・・って、

ん?ちょっと待てよ。

テーブルの上にあったであろう花瓶も、

万年筆も、

本も・・・

すべて床に落ちてしまっている。
なのになぜこのティーカップだけ?
ふと、絨毯に目をやる。

と、血で赤く黒ずんだ染みとはまた違う、

何かで濡れたような痕が目に入った。


ホームズはその場所に四つん這いになって鼻を寄せる。






くんくん...
ホームズ
ホームズ
紅茶のにおい・・・!


・・・そうか!!


そういうことだったのか。


全て、犯人の罠だったんだ。
メアリー
メアリー
わな?
ホームズ
ホームズ
安心したまえ。
さあ、次は我々の番だ。

この血塗られた悲劇をフィナーレと誘おうじゃないか。






つづく