そんなところで目が覚めた。
もう朝か...
意味の無い携帯のアラームを止め、むくりと起き上がる。
さむ...
起きかけの目をしぱしぱとさせながら、クローゼットを開けた。
これと、これと...あとこれ。
長袖長ズボンの部屋着を脱ぎ、ぱっぱと着替えを済ませる。
着替え終わった俺は、宛ら平社員のようだ。
あまりいい例えではないけど、な。
パンをトーストに入れ、フライパンにバターを敷く。
パンを焼いている間に生卵を1つ、フライパンへと落とした。
形を整えつつ、パンをじわじわと待つ。
威勢のいい音が鳴り、それと同時に火を消した。
目玉焼きをパンに乗せて食べる。
それが俺の朝の食べ方だ。
それが俺のローテーション。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。