第17話

#15
725
2019/10/23 13:45

翔side




雨。雨。雨。





朝、目が覚めてカーテンを開けると





窓は濡れており、今もなお降り続ける雨に





俺の心にも雲がかかる




櫻井翔
櫻井翔
(今日は夕方までオフだって
いうのに…)



今日は久しぶりにほぼ1日オフだ。





仕事は午後の6時から。


時計を見ると今の時刻は8時、



友人との昼食の約束まで3時間。







しかしあっという間に時間は過ぎ、


誰もいない部屋を後にする

___________________





友人との昼食を終えて、家へ帰る途中で




家の近くにあるコンビニに寄った




欲しかったものを手にして



最後にアイスコーナーへ足を運ぶ



ふと、いつも食べているアイスの新作を見つけた



今日はこれにしよう、そう思い手を伸ばした時


佐倉陽葵
佐倉陽葵
あっ
櫻井翔
櫻井翔
あっ


同じアイスに手を伸ばした女性ひとがいた



その女性ひとと同じタイミングで声を発し



同じタイミングでお互いを見る


パッと見 20歳ぐらいだろうか



まずい、若い女の子にならバレかねない


そう思っていたら

佐倉陽葵
佐倉陽葵
すみません、、


そう言って立ち去ろうとする彼女


櫻井翔
櫻井翔
あっ これどぞ
佐倉陽葵
佐倉陽葵
えっ…?


驚いたように、そして少し嬉しそうに


彼女が振り返る
櫻井翔
櫻井翔
これ、どうぞ


“いいんですか……??”遠慮ガチにそう言う彼女に

櫻井翔
櫻井翔
はい


と言いながらニッコリ笑顔




マスク越しだから伝わりにくいと思うけれど。
佐倉陽葵
佐倉陽葵
…っありがとうございます!



深々とお辞儀をするあなたを見て


嬉しそうな笑顔を含め好印象を覚えた


佐倉陽葵
佐倉陽葵
あの、お礼と言ってもなんですけど
このアイスオススメですよ!
櫻井翔
櫻井翔
これ?
佐倉陽葵
佐倉陽葵
はい☺️
櫻井翔
櫻井翔
お、これうまそ
ありがとうございます、



俺のことには気付いていないらしい。



安心したのは束の間で。


佐倉陽葵
佐倉陽葵
全然です☺️
では、私はこれで。
ありがとうございました
櫻井翔
櫻井翔
こちらこそ


彼女がレジに向かう。


俺もアイスが最後だったから彼女に続く



結構かわいかったな スタイルも良かったし



ここのコンビニ結構来るのかな




って変態か。俺は。



そんなこんなで俺の会計も終わり


外に出ようとすると彼女が戻ってきた


彼女は困ったような顔をしている


櫻井翔
櫻井翔
…どうされたんですか?
佐倉陽葵
佐倉陽葵
あの…実は傘が……(苦笑)


とさっきまでの元気があまりない
櫻井翔
櫻井翔
持ってこなかったんですか?
佐倉陽葵
佐倉陽葵
いや……えっと…


言いずらそうにしている彼女を見てまさか


盗られたのかと思った
櫻井翔
櫻井翔
盗られちゃった…?


無言で頷く彼女に自分の傘を渡す
櫻井翔
櫻井翔
これ使って
佐倉陽葵
佐倉陽葵
え…でもあなたが……
櫻井翔
櫻井翔
俺、家すぐそばだから
櫻井翔
櫻井翔
じゃあ、


そう言って戸惑ってる彼女を置いて

少し早足で家へ向かう
佐倉陽葵
佐倉陽葵
ありがとうございます!!


と言う彼女の大きな声を背に




うっすら微笑みを浮かべながら。

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