シルクside
あれからどれくらいだっただろう……
俺は……誰なんだ?何も分からない……自分のことも何もかも……
目に見えるのは……黒く塗りつぶされた場所…
何もわからない………俺の体が水晶になっていく。ずっとこのまま闇の中で………
視界が霞んでくる………そして冷たい闇の中で 震えながらその場に留まる
俺はそう思い当たりを見回した。
見回すと小さな光があった
その光に向かうとそこには、燃える炎のような赤い宝石があった。
その宝石に触れた瞬間、俺の中にある記憶が蘇る。
(ある記憶)
一人の男が俺に話しかける。記憶の中の俺は少し今より若く涙目だった。
リーダー……?俺が……?
この人は誰なの……?
その時、俺の記憶が光り輝く。そして全てを思い出す。そうだ……この記憶は……!
俺達がフイッシャーズとして活動を始めた時、メンバー内でギクシャクしてて、それを兄貴に相談していたんだ。それから俺はリーダーとしてメンバーを支えてきたんだ!
そうだよな……ここで立ち止まれねぇーよな
[真っ暗な場所]
今までのことも、メンバーのことも、そして、俺自身のことも……
その時、水晶になっていた所は剥がれ、粉々になった。そして当たりが光に包まれた。
[真っ暗な教会]
クローは水晶化になりかけのシルクを見てそう言う。次の瞬間!
バリーン!!
水晶になっていたシルクの体が砕け元に戻った。
クローが魔導書を開きシルクに攻撃しようとしたその時、ふたつの攻撃がクローの体制を崩した。
「俺たちの先輩の決意、無駄にはさせない!」
「そのためにも破滅の魔女の復活なんで阻止してみせる!」
現れたのは北の打ち師達だった。
セイキンさんの応援が来たのだ
こうしてシルクは復活し、クローと戦闘態勢に入った。
[雪と氷の空間]
水晶化した二人を見てクラブは静かに笑っている。
クラブがその場を去ろうとする。その時だった
パキッ……
クラブが振り返ると、水晶になっていた2人の元に戻ろうとしていた。水晶が剥がれていく。
2人は立ち上がりクラブを見る
[殺風景な荒野]
パキッ…パキパキ!
2人の体の水晶が剥がれていく……
[白花の高原]
パキパキ…
それぞれの思いがひとつに固まった。
『7人で一緒に帰る!』
・.━━━━━━━━━━━━†━━━━━━━━━━━
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!