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第1話

初めて。
210
2022/08/16 10:16
生徒のみんながやっと授業から解放される時間。

休み時間。
ころん
んんっー!!
はぁ。疲れたぁ!!
僕は伸びをしてため息をこぼす。
今はお昼休憩。

今日弁当忘れたんだよなぁ…。

購買行くか…
さとみ
…………。
ころん
さとみくん、僕購買行ってくるね~
真剣に第5人格をしている親友に一声かけて僕は購買に向かった。
僕はイチゴミルクとクリームパンを手に教室に入ろうとした。

だけど、
さとみ
お前いい加減にしろ!!!
うるせぇんだよ!!
親友の怒鳴り声がした。

続いて、
あなた
はぁ!?
お前が1人だから話しかけてやってんだろ!?
幼馴染みの声。
ころん
またかぁ…。
僕は独り言を言いながら教室にはいる。

僕の予想通り、親友のさとみくん、幼馴染みのあなたが、喧嘩中。
ころん
2人ともうるさぁい。
大声で喧嘩している2人に近づき自分の席につく。

すると、待ってましたと言わんばかりに口を開く2人。
さとみ
ころん!?
こいつ俺が第5人格してんのに話しかけてくんだぜ?!
しかも腕引っ張ってきやがったんだぞ?!
あなた
ころちゃん!!
こいつがゲームばっかで私の話聞かないし、かまってもらおうとしたら怒ってくるんだよ!?ありえなくない!?
まぁ、仲のよろしいことで。

これも日常になっている自分が怖くなる。

クラスのみんなもこれが当たり前なんだろうなぁ…。

2人をちらりとも見ねぇよ。

とりあえず。いつも通り僕は2人の仲裁役だ。
ころん
まず、さとみくん。
ゲームしすぎ。ちょっとはあなたのことかまってあげなよ。
さとみ
なっ!!
ころん
次、あなた。
かまってほしいのはわかるけどしつこい。
我慢しなよ。
あなた
はっ!?
ころん
ってことで、2人とも悪い!
はい、この話は終わり!ごはん食べよ!!
無理矢理にでも終わらせないとこの2人は一生喧嘩し続けるだろう。
さとみ
………。
あなた
………。
あれ?いつもとなんか違う。

いつもはすねながらも「わかった…。」と言って終わるのに。
さとみ
おい、あなた。俺今日お前と仲直りする気ねぇから。
あなた
あら、奇遇。私もおんなじこと言おうと思ってた。
ころん
………は?
いつもみたいに仲直りしない2人。

すると、
さとみ
お前はいつもいつも自分勝手だよなあなた!!
俺のこと考えたことあるか?!ねぇだろ!!
この前の買い物も荷物全部俺に持たせてたからな!!
あなた
はい?!じゃあ、聞きますけどお前も私のこと考えたことある?!
いっつも口を開けばゲームゲームで!!!
しかも買い物っていつの話だよ!2ヶ月も前の話じゃねぇか!!
さとみ
俺はちゃんと人のことも考えられるんで!
お前もゲーム好きだよな!?だから、会話のネタにしてやってんだろ!?
あなた
ゲームは好きですよ!!
でもお前他の話しねぇじゃねぇか!もっとネタを増やせ!ネタを!!!
こんなことは初めてだ。初めまして(((

喧嘩は何回も見たことあるけどこんな長いのは初めてだなぁ。

クラスのみんなもビックリしてるよ。

こっちをガン見だよ。
すると、
ななもり。
ねぇ、2人ともうるさい。人のこと考えられないの?毎日毎日大声で喧嘩して。ころちゃんかたまってんじゃん。
救世主が来た。
ころん
なーくん!!
嬉しい。なーくんがいれば解決だ。
さとみ
それはごめん。でも、今は喧嘩中だから。
あなた
ごめん、なーくん。
おい、さとみ。別の部屋いくぞ。
さとみ
上等だよ。
そう言って2人は教室を出ていった。
ころん
………こんなこと初めてだよ。
ななもり。
うん。俺も初めて見た。
ななもり。
…ってかほんとにあの2人付き合ってんの?
ころん
うん。ほんと。
そう、信じられないかもしれないが、あの2人は付き合っている。

しかも今年で3年目。

僕たちは今高2だから、2人は中3の時からの付き合いだ。
ななもり。
…帰ってきたら説教か。
ころん
ですね。
このあとのことを考えると、鳥肌がたった。

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