第11話

10話。
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2022/05/17 11:51





首を刎ねろオフ・ウィズ・ユアヘッド!!』

そんな叫び声と共に、ガチャン!とまるで鍵を閉めたかのような音が鳴り響く。
鍵の音に驚いてか静かになった鏡の間で、私は1人場違いに「よっしゃあ!!確保だ!!!」なんて叫んでいた。

驚き目を見開くカリムくんと、その腕の中に居ながらも震えるフロルちゃんにペコリと頭を下げた後、音のした場所へと駆けた。
後ろから「ちょっ、おい!」なんて声が聞こえたがそんなのどうでも良い、先ずはグリムをゲットして、学園から追放されるのを防がなければ。
純連 あなた
ちょっと失礼します!!
ずさーっとスライディングしそうな勢いでグリムの元へ突撃し、首輪の嵌められている彼を腕に抱える。

「キミ、突然横から滑り込むだなんて危険だよ!!」

リドルくんがムッと難しい顔をしながら此方を怒鳴り、隣でアズールくんがまぁまぁと宥める。
グリムの首輪が取れる前にどうにか皆を説得し、私とグリムを学園へ入学させて貰うと同時に、フロルちゃんをお家へと帰す。

そんな作戦が頭よわよわな自分に出来るのかと一瞬不安になるが、こんなの自分らしくない、なんて考えでどうにか不安を吹き飛ばした。
純連 あなた
学園長、貴方にお願いがあります。
私をこの魔獣の監督生として、この学園に入学させて頂けないでしょうか。
純連 あなた
そして、彼方に居るフロル・ヴィオラさんを家に帰してあげてください。
私とは違って、きっと住む場所がある筈です。
ディア・クロウリー
魔獣の監督生としてあなたさんを入学させ、フロルさんを元の場所に帰す………
ふむ、フロルさんを帰すのは賛成ですが、入学は……うーん…………
純連 あなた
この際言わせて頂きますが、私は"日本"という場所から来た"異世界人"です。
あの鏡に聞いていただいても構いません。
ビッと闇の鏡を指差しながら言えば、学園長は勿論、近くにいた寮長から他の生徒までがざわざわと囁き出した。
異世界人なんて有り得ない。
でも日本なんて地名聞いたことがない。
それに、此処は魔法が存在する世界だ。異世界から人間がやって来たとしても、理解は出来る。
そんな数々の事実が重なり、私を"異世界人"と信じる人が大半だった。

自分には帰る場所が無い事。
どんな扱いをされても構わないから、この学園に籍を置かせてほしい事。
その際は、魔獣"グリム"も共に入学させてほしい事。

諸々を学園長に説明すれば、彼はムムム……と悩んだ末に、スッと顔を上げ、此方を見据える。
ディア・クロウリー
流石に、教育者として子供に乱暴な扱いをするのは気が引けます。
そんな事はしません、ですが。
ディア・クロウリー
貴女は先程"魔力が無い"と言われていた。
此処は"魔法士養成学校"です。貴女が簡単に着いて行けるような授業内容ではありません。
ディア・クロウリー
そして魔獣の"監督生"である以上、魔獣が何か起こした際責任は貴女にも与えられます。
それでも、宜しいのですね?
純連 あなた
……………えぇ、勿論。
コクリと頷き、真剣に学園長の目を見つめれば、ふぅ…と一呼吸置いた後に「分かりました」と微笑む。

「この学園に籍を置く事を許可しましょう。」

そう言った学園長に感謝を述べれば、いつもの私優しいので!が返ってきた。
それでこそ学園長だと、私は思わずニヤけてしまう。
「何笑ってんだゾ」とグリムに頬を触られたが、それも幸せだ。肉球がぷにぷにしている。
ディア・クロウリー
さて、あなたさんの処遇は決まった事ですし、次はフロルさんですね。
カリム・アルアジーム
フロルなら此処にいるぜ!
遠くからスタスタと歩いてきたカリムくんの隣を歩くフロルちゃん。
何処から見ても美しく、まるで百合の花の如く綺麗で愛らしい少女は、物語の主人公に相応しい人物だった。








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