第6話

6:❥︎🔫
497
2020/11/17 12:39







『 同じような綺麗なバラと
お揃いのキーホルダー。』












健人 『 いや、いい顔して話すなぁって。』


「 本当にやさしくて。」





私は何も知らないこの人たちに





自分のことについてたくさん話した。







カウンターに飾られた綺麗なバラを眺めながら





時間も忘れて。







時計を見るともう勝利が帰ってくる時間。







「 私そろそろ帰りますね 」







話していたら体調もよくなった。







マリ 『 もう少しいたらいいのに 』


風磨 『 夕飯作るけど 』


「 彼氏が帰ってくるので。」





今日なら笑顔で出迎えられる気がする。







健人 『 もうすぐ仲間あと一人帰ってくるのに 』

「 今日は帰ります!笑顔で出迎えたいので。』


健人 『 かわいいなぁ。』


「 え? 」


健人 『 恋する女の子は。』







健人さんは私の手をもって








「 健人さん? 」







その瞬間フラッシュバックした。







「 やめてくださいっ 」





優しくしてくれた健人さんから




手を振り払った。







「 あ、ごめんなさい。そういうことは。」


健人 『 ははっ、冗談だよ 』


風磨 『 ほんと中島は。』


マリ 『 また来てね 』









この3人がそろうと、






どこか重ねてしまう。あの怪盗と。







こんな優しい人たちが・・・・。






そんなはずない、ただ頭が敏感になってるだけ。






私はそのまま家に直行して





料理を作って勝利のことを待った。





でも、なかなか今日は帰ってこなくて、





時間をつぶすためにテレビをつけた。





たまにはこうやって過ごすのもいいかも。









『 速報です 』








テレビがニュースに切り替わって









『 先ほどあの有名な△美術館に怪盗Sexy Roseが 』









その内容は私の家にも侵入した怪盗の内容だった。





そして映像が映って









「 あれ。」






そこに映ったのは







「 4人、? 」








今までニュースもちゃんと見てなかった私は






初めて彼らの報道を見た。







あの時の黒い衣装で美術館の屋上に立つ。







そして片手にはバラを持っていた。






Barで見た、同じような綺麗なバラ・・・。






ビルの反対側から落ちたと思うと





はたまた姿を消した。











「 え。」










それから1時間。





勝利 『 ただいま〜 』


「 あ、おかえり! 」


勝利 『 ごめんね、遅くなっちゃった。』


「 んーん、お疲れ様。ご飯は? 」


勝利 『 お、食べたい 』






下準備をしていた料理をテーブルに出して




私は勝利の向かいの席に座った。






「 今日仕事どうだった? 」





さっきのニュースで一つ気になったことがあった。






4人が姿を消したとき、







「 え。」







見覚えのあるものが目に入った。





それは。










勝利 『 あなた、これおいしいよっ! 』


「 よかったぁ 」




「 ねえ、勝利?見てこれ 」


勝利 『 ん? 』


「 これ覚えてる? 」







そういって出した初めてデートした時に買った





クマのキーホルダー。









「 これね、気づかなかったんだけど、」








クマの手を勝利に見せた







「 ここハート半分だったのっ! 」


勝利 『 え!?ほんとだ!知らなかった! 』





できるだけ明るく振舞った。






ニュースで見たあのマントが





浮いた時にちらっと見えたもの。





勝利のカバンから出てきたクマは





紛れもなくそれだった。








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