第89話

PHASE19 薄明三角点
1,734
2022/07/29 14:28
((⚠️こちら、#アモアス狂気山脈02 薄明三角点のネタバレ要素あります。未視聴の方はご注意ください))






なかのっちside



中野あるま
のっちー?
なかのっち
なにー!?
中野あるま
なんか下におらふくんいるんだけどー?
なかのっち
はぁ!?
俺は下を除く。すると確かに、おらふくんがいたんだ。


しかもゴーレムみたいな巨人がオートマタと戦っている。
中野あるま
何がどうなってるんだろうなー。
なかのっち
って言うかお前も戦えよ!?
中野あるま
僕は攻撃手段持ってないからー。
なかのっち
ぐぬぬ…。
中野あるま
…なぁ、のっち。
なかのっち
ん?
中野あるま
…僕たちの戦いはさ、本当にこの魔女を倒して終わるんだろうか?
なかのっち
…は?
あるまが急に変なことを言い出した。
なかのっち
…そりゃあ、終わるんじゃないか?
中野あるま
…そう、だよな。
なかのっち
どうしたんだよ?
中野あるま
…いや、ただ少し、嫌な予感がするだけ。
そういったあるまは、どこか遠くを見つめていた。











瀬戸side


ついに魔女の元に辿り着いた俺たち。


しかしどこか、魔女は余裕そうな表情をしている。
魔女
お前たちが来たところで私には勝てない。
魔女
倒す手段は持っているようだが、私には届かないさ。
それもそうだ。魔女には異能が効かない。それは以前俺が呪いを受ける前に証明されている。
アベレージ
果たして、本当にそうでしょうか?
瀬戸あさひ
え…?
魔女
なに?
ズズ
………。
アベレージ
僕は、このためにここにいるんだ。







アベレージside


プテさんの力を受け継いでから、僕にはある力が芽生えていた。

それは、可能性の世界。パラレルワールドの存在。


かつてあった世界、有り得た世界、その断片を見ることが出来る。



見た世界には、僕が人間の世界線もあった。

…ああ、なんて幸せそうなんだろう。人間の僕は。


プテさん、めーやさん、そして知らない誰かと一緒に、ゲームしたり、笑いあったり…それを見て、僕は僕に嫉妬してしまった。
…でもこれは、僕には叶わない夢。
この世界に生まれた僕には、絶対に叶わない夢。
…だってもう、あの人はここにいないのだから。



そんなある日、僕はある記憶を覗いた。


その記憶から、魔法のヒントを得たんだ。


プテさんが放ったその言葉。


それをそっくりそのまま、魔法の詠唱に使おう。


僕はそう決めた。








でもその前に、やることがある。





アベレージ
今ここに、僕は宣言する!
アベレージ
ガイアの抑止力よ!
アベレージ
我は予言の子!世界を守る砦なり!
アベレージ
その役目、この時をもって、
アベレージ
全て放棄する!
瀬戸・ズズ
!?
アベレージ
だから寄越せ!
アベレージ
奇跡を叶える力を!
瀬戸あさひ
おまっ…!?そんなことしたら…!
ズズ
アベくんが消えちゃう…!
ふたりがそう言った時には、僕から予言の子としての力が徐々に消えていた。


でも、それとは違う何か。ロックが解除された感覚。
その瞬間、僕は唱える。


ヒントを得た魔法。それは、奇跡を叶える力と同時に使う。
そうすれば必ず、あさひさんが魔女を倒すことが出来る。
アベレージ
叶えるのは、僕の友達、そしてこの戦いで知り合った彼らをを生涯危険から身を守るための力を付与すること!
アベレージ
そしてここに、最後の魔法の使用を宣言する!
大事にならぬようにと、人々が寝静まったであろう時間帯から、この戦いは始まった。


それからもう、数時間たっていたんだ。


もうすぐ日が登ってくる。


本当、ちょうどいいタイミングだよ。



この力は、勝利への希望。



僕は詠唱を始める。
アベレージ
思いよ、届け!
アベレージ
絶望を引き裂け!
アベレージ
そして、希望の日の出となれ!
僕はそう言って右手を天に向かって伸ばす。


この力は魔女を一時的に行動不能にするもの。
そして二度と魔女のような存在がこの世界に産まれないようにする魔法。
この力を使ったら、おそらく僕は消えるだろう。


この後のことは、あさひさんとズズさんに任せよう。
僕は最後のセリフを口にする。









アベレージ
薄明アモアススパーク!!

















瀬戸side


アベレージ
薄明アモアススパーク!!
アベレージがそう唱えると、雷鳴が魔女に直撃したのだ。
魔女
ぐああああああああ!!?
ズズ
っ!瀬戸、今だ!俺の手をとれ!
獣にズズが俺に向かってそう言った。
ズズ
俺がお前を魔女の所まで飛ばす!
瀬戸あさひ
っ、あ、ああ…って、飛ばす!?
俺はズズの言う通りズズの手をとる。すると、
ズズ
歯ぁ、食いしばれよ!
瀬戸あさひ
いやちょっとまっ…!
俺の制止も聞かずに、ズズは俺を放り上げる。
瀬戸あさひ
だあああああ!?
瀬戸あさひ
くそっ!もうどうにでもなれ!
俺はすぐさま氷のナイフを作り、動けなくなっている魔女の黒い点目掛けて、ナイフを突き刺す。
魔女
─────っ!?
魔女は声にならない悲鳴をあげていた。

氷のナイフは確実に黒い点を突き刺した。
瀬戸あさひ
…じゃあな、不運な魔女さん。










なかのっちside


中野あるま
のっちー?
なかのっち
………。
中野あるま
何回タイムマスター発動させたら気が済むんですかー?
なかのっち
………すみません。
中野あるま
ほんとお前、俺がいなかったら死んでたぞ?
なかのっち
…はい。
中野あるま
ほんと、強化してくれたサントスさんに感謝しないとな…。
経緯を簡単に説明すると、一番初めはアーソニストの力を上手くコントロール出来ずに敵諸共自分も炎に巻き込まれた(だって難しかったもん)。
その他は敵の予想外の動きにやられたり、めーやさんのロケランの流れ弾が1回飛んできたりした。
なかのっち
少し言い訳させてもらうと、この量を俺ひとりで相手してるんだぜ?
そう。俺が相手した数は100体近く。あるまは戦えないから、俺しかやれる奴はいない。
中野あるま
まぁそりゃそうだけどー。
それでも死にすぎー、とジト目でこっちを見てくるあるま。
すると、上の方から雷の音が聞こえた。
二人
っ!?
何があったのだろう。そう思っていると、
なかのっち
っ!あれはー
黒いモヤのようなものが無くなっていく。


もしかすると、瀬戸が魔女を倒したのか…?






登ってくる太陽。日の出の時間だ。



その日の出は、今まで見たどの日の出よりも綺麗に見えた気がした 。






to be continued…

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