第86話

PHASE16 偶然か、必然か
1,639
2022/07/27 12:30
((今回、視点がコロコロ変わります))





瀬戸side




アベレージ
あさひさん!
瀬戸あさひ
ん?
アベレージ
僕の弱体化の異能で、直視の魔眼で脳に受けるダメージを軽くします!
瀬戸あさひ
そんなのできんの!?
アベレージ
おそらくは!やった事ないのでぶっつけ本番になりますが!
瀬戸あさひ
おぉ、おそらく…まぁ頼むわ!
アベレージ
はい!
するとアベレージは俺の右肩に手を置き、目を瞑る。

すると何かが流れ込んでくる感じがした。
めーや
…で、どうするよ?
めーや
周りにオートマタはいっぱいいるわ、魔女は空に浮いているわでどう近づく?
なかのっち
どうにかして瀬戸を近づけさせたいけど…。
詩人
なら、俺に策があります!
アベレージ
え?
詩人
俺が四方八方に植物で足場を作ります!
詩人
伸ばして伸ばして伸ばしまくるので、皆さんはその上を登ってってください!
ズズ
でもそれじゃあ、詩人さんの負担が…。
ふじみや
なら自分が詩人さんの魔力供給をしますよ。
ふじみや
魔力供給というか体力供給というか…。
ふじみや
いい感じに僕の魔力と詩人さんの魔力を合成して、負担を少なくします。
中野あるま
そんなことも出来るんだ…。
詩人
ありがとうございます、ふじみやさん。
ふじみや
いえいえ。
めーや
じゃ、そのふたりを俺が敵からこのロケランで守るわ。
めーや
残りのメンバーはひたすら上に登ってくれ!
なかのっち
は、はい!
詩人
なら早速!行きますよ!
そう言って詩人さんは植物の足場をどんどん生やしていく。

その隣でふじみやさんが詩人さんに触れ、魔力を送り込んでいる。
瀬戸あさひ
よし、行こう!
ズズ
ああ!
詩人さんの出した植物の足場を駆け上がり、魔女の元へと近づこうとする俺たち。

しかし当然、足場の上にもオートマタが湧いて出てくる。
なかのっち
っ、あるま!ここは俺たちで食い止めるぞ!
中野あるま
ああ!
なかのっち
ってことで瀬戸、ズズ、アベくん!上に登れ!
瀬戸あさひ
悪い!
アベレージ
お願いします!
ズズ
気をつけろよ、ふたりとも!
中野あるま
はい!そちらもお気を付けて!















なかのっちside



オートマタが近づいてくる。


ざっと見た限りは30体ぐらい居るだろう。
なかのっち
はてさて、どうしますかね。
中野あるま
なんも考えてないんかい。
なかのっち
俺の炎で燃やしまくろうかと思ってたけど…。
中野あるま
え、なら俺呼び止める必要なくない?
なかのっち
いーじゃん。手伝ってくれよ。
中野あるま
へいへい。なら、ちょっと失礼。
なかのっち
ん?
するとあるまは俺に近づいて、手の平を俺に向ける。
中野あるま
タイムマスター、お前にかけとくわ。
中野あるま
どうせのっちのことがから、無茶しそうだし。
なかのっち
うっ…反論出来ねぇ……まぁでも、サンキュー!
なかのっち
………。
御先蔵馬
【『アーソニスト』は、消えない炎。君の意志じゃないとその炎は消えることは無い。ただ、威力がすごい分、君自身も巻き込まれる可能性もあるから、注意して欲しい】
なかのっち
蔵馬さん…この力、使わせてもらいます…!













めーやside


オートマタの数が以上な程増えている。

上ではのっちとあるまが交戦しているようだ。
めーや
……?
ふと、詩人さんとふじみやの方を見ると、なにか様子がおかしいようにみえた。
詩人さんの肩に手を置いて魔力を送っているふじみやの体が透けているように見えたんだ。
めーや
…まさかあいつ…!?








詩人side

ふじみやさんの魔力供給のおかげか、どんなに異能を使っても、疲れたり力が減ったりそんな感じはしなかった。
ふじみや
詩人さん、僕のことは気にせず、力を使ってください!
詩人
は、はい…!
すると、
めーや
ふじみや、お前…!
消えかかってるぞ、そうめーやさんが言った気がする。俺はそれに驚き、ふじみやさんの方を見る。すると本当に、消えかかっているではないか。
詩人
えっ…なんで…。
ふじみや
…俺のことは気にしないでください。
ふじみや
そう、言ったはずです。
詩人
で、でも…!
このままじゃふじみやさんが…!
ふじみや
俺たち護り人は、最終的には消滅する運命。
ふじみや
俺は一度消滅した身。
ふじみや
それでもこの戦いに俺が必要だからと、サントスさんは俺を復活させてくれた。
ふじみや
なら俺は、俺のやるべき事をするまで。
詩人
……っ!
そんな悲しいこと、なんで淡々と言えるんだよ…?
おらふくん
ならその力、僕に託してはくれませんか?
するとそこにおらふくんがやってきたのだ。
めーや
おらふくん…!?
詩人
どうしてここに…!?








おらふside



地上に出て、僕はドズルさんたちと別れ、ある場所へ向かった。

その場所は、魔女がいる城。直観的にだけど、僕はやらなきゃいけない事があると感じたんだ。
サントス
…誰かと思えば、おらふくんじゃありませんか。
おらふくん
サントスさん…。
サントスさんがここにいる、ということは、彼らは無事に中に入れたんだろう。
サントス
さて、問題です。
すると急にサントスさんが問題を出してきた。
サントス
ここに君が来たのは、偶然でしょうか、それとも必然でしょうか?
おらふくん
……それ、問題になってませんよ。
サントス
はは。それはそうだね。
でも、おかげで確信した。僕はやっぱりここでやるべきことがあるんだと。
サントス
…おらふくん。
おらふくん
はい。
サントス
…どうか、ふじみやをお願いします。
おらふくん
…分かりました。
……ああ、やっぱり。そうなんだな。
僕は急いで白の中に入り、最上階へ目指す。

中は絡繰でできていたけど、僕には関係ない。

だって僕には、✘✘✘✘✘✘がついているんだから。





to be continued…

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