第85話

PHASE15 空(から)
1,732
2022/07/24 14:05


瀬戸side




瀬戸あさひ
……?
のっちたちに合流すべく、壁を壊しながら上の階へと向かっていく途中、違和感を覚えた。
瀬戸あさひ
(なんだ…?なにか、忘れているような…?)
胸にぽっかりと穴が空いたような感覚。


その空いた穴は、なにかを忘れていると訴えかけられているような、そんな感じがする。
瀬戸あさひ
…思い、出せない…。
思い出そうとしても、記憶にノイズがかかっているように、思い出すことを阻止される。


この気持ちは、なんなんだ…?



俺は一体、何を忘れたんだ…?
















おんりーside


おんりー
…なんで…?
急にコアが光出したと思ったら、目の前のコアが、突然割れた。
おらふくん
お、おんりー、何かした?
おんりー
僕は何も…。
すると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
ドズル
おんりー!おらふくん!
おらふくん
ドズルさん!ぼんさん!MEN!
ぼんじゅうる
無事か!?
おらふくん
はい、なんとか…。
おおはらMEN
ふたり共、コアの破壊に成功したんですね!
おらふくん
いや、その…なんか、勝手に壊れたと言うか…。
ぼんじゅうる
勝手に壊れた!?
ドズル
そんな訳…。
おらふくん
本当なんです!僕もおんりーも、何もしてなくて…!
何もしていない。

その事になにか引っかかる。

そして、何か忘れているような気もする。
おんりー
…あの、つかぬ事をお聞きしますが、いいですか?
ドズル
ん?なに?
おんりー
このコアを破壊しに来たのって、僕とおらふくんのふたりだけ ・ ・  ・ ・ ・でしたか…?
おらふくん
…おんりー?
ドズル
…うん。しんたろーさんたちの案で、魔女の呪いを受けないおんりーとおらふくんのふたり ・ ・ ・がここに向かうよう言われたはずだよ。
おんりー
…そう、ですよね。
ぼんじゅうる
どうしたんだ、おんりー。お前らしくないぞ?
おんりー
…いえ、何か忘れたような気がして…。
おんりー
でも気のせいみたいです。すみません。
おらふくん
でも、どうしてみんなここに来たんですか?
おおはらMEN
ドズルさんが、何か嫌な予感がするって言って。
ぼんじゅうる
そうそう。
ドズル
何でかな?そんな気がして…。
ドズル
でも、ふたりが無事でよかった。
ぼんじゅうる
ほんと、よかった。
おおはらMEN
でもまだ終わってませんよ。
おおはらMEN
上にいる皆さんと合流して、被害を抑えないと…。
おらふくん
そうだね!
おらふくん
みんな行きましょう!
ドズル
うん。
なんでコアは壊れたのか。

それがずっと頭に引っかかってしまう。
おらふくん
おんりー!どうしたのー?置いてっちゃうよー!
おんりー
あ、うん、今行く!
でも今は、やるべき事をしないと。
















なかのっちside



オリガちゃんの導きにより、最上階へたどり着くことが出来た俺たちは、ついに魔女との対面を果たす。
めーや
コイツが、魔女…。
魔女
貴様ら…。
魔女はどうやらご立腹のようだ。

もしかすると、おんりーさんとおらふくんがコアの破壊に成功したのかな?
魔女
何故だ…!?何故壊れた…!?
魔女
あれは貴様たちでは壊せないはずだ…!
中野あるま
え…?
魔女
…とはいえ、貴様たちに私を倒す術はない。
魔女
あいつも、今頃この城の中で永遠に彷徨っているだろう。
なかのっち
…瀬戸は絶対にここに来る。
なかのっち
俺は信じてる。
ズズ
のっちさん…。
めーや
…そうだな、あいつならきっと。
魔女
何を根拠にそんなことが言える?
なかのっち
仲間だからさ。
なかのっち
仲間だから、信じるんだ。
魔女
…くだらない。やはり人は、この世界に不要なものだ。
魔女
人ならざるものたちよ。何故お前たちは人に着く?
アベレージ
…そうですね。信じているからですよ。人の可能性とやらを。
ふじみや
人がいなかったら、僕らは生まれてこなかったかもしれないし?
ズズ
人の温もりに触れて、俺たちは人のために戦うって決めんだ。
魔女
…馬鹿馬鹿しい。
アベレージ
馬鹿馬鹿しい、か。確かにそうかもしれない。
アベレージ
でもね、魔女さん。
アベレージ
それでもあなたを作った人達は、あなたを崇拝していた。
アベレージ
いなくなった悪魔の変わりだったとしても、あなたは人から崇拝されていたんだ。
魔女
………。
魔女
それがどうした。
魔女
勝手に作り、勝手に崇拝の対象にし、呪いを生み出すように作られた私は、もう呪うことしかできない。
魔女
人を呪うことしか、できないのだ。
魔女
不完全に作られたから、そうするしか出来ない。
魔女
私は生まれた時から、この世界の敵なのだ。
なかのっち
………。
アベレージ
…そうですね。だから僕も生まれた。
アベレージ
あなたを排除するために。
アベレージ
僕らは相容れない存在同士。
アベレージ
この世界の存続をかけて、僕らは戦うことしかできない。
魔女
分かっているではないか。
アベレージ
ええ、分かっていますよ。
アベレージ
そしてこの戦い、僕らが勝つ。
魔女
どうやって?お前達ではこの私を殺すことは出来ない。
アベレージ
あなたはひとつ、大きな勘違いをしている。
アベレージ
この世に、絶対なんてないんですよ?
アベレージ
ですよね?あさひさん ・ ・ ・ ・ ・
なかのっち
えっ!?
魔女
っ!?
瀬戸あさひ
ああ、その通りだよ、アベレージ。
すると俺たちがこの最上階に来るために通ってきた方向とは逆から、壁を壊して瀬戸がやってきた。
魔女
な、何故だ…!?何故ここまで来れた…!?
瀬戸あさひ
…かつてこの世に絶望した人から、託されたんだよ。
瀬戸あさひ
その人たちは俺たちを信じてくれると言った。
瀬戸あさひ
希望を見出してくれた。
ふじみや
…っ!
瀬戸あさひ
だから俺は、その人たちの思いを背負ってここに来た。
瀬戸あさひ
不可能を可能俺  を  拒  む  力  を  無  効 にする力を借りて、ここに来た。
魔女
…小賢しい。
瀬戸あさひ
小賢しいか。確かにズルはしてるなぁ。
すると瀬戸は俺たちの方を見る。
瀬戸あさひ
……みんな、戦えるか?
瀬戸あさひ
こいつを倒すにはここにいる全員の力が必要だ。
アベレージ
はい、僕は大丈夫です。
なかのっち
ああ、いける。
中野あるま
その為にここに来たんだ。
ズズ
とっくに覚悟は出来てるさ。
詩人
全力でサポートしますよ!
めーや
ここに来て引く訳にはいかねぇよ。
ふじみや
ええ。前に進むことしか、もうできません。
瀬戸あさひ
よし、ならやるぞ。
瀬戸あさひ
これが最後だ!
7人
ああ(はい)!!




to be continued…

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