第22話

雨が嫌い、好き
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2018/09/17 06:05
 窓の外を覗くと、掲示板に貼られたポスターが嫌でも目に入った。


あぁ、花火大会は来週なんだなって。
 大貴と行けたら_______________












 そこまで思ってため息をつく。
 結局私は大貴を忘れられてないんだ。






早く忘れたい、忘れさせて。
 君色で塗られた私の心を誰か、塗り替えて欲しい。






外に出るのも憂鬱な雨の日。
 自分の部屋に引きこもって寝転がる。



こんな時に限ってまた雨か……










でもこの前の雨の日は涼介が来てくれたっけ。
 傘もって、濡れた私に酷く照れて……







今日、すごく涼介に会いたい。
 話しに行ったら、迷惑かな……、?












ピーンポーン




 " はぁーい "
あ、間抜けな涼介の声。笑




山田涼介
山田涼介
はい…______ってあなた!?
あなた

来ちゃった、

山田涼介
山田涼介
はいはい、どーぞ
あなた

ふふっ



こうやって涼介の温かさを身近に感じられるだけで、重かった私の心が軽くなる気がした。


涼介の部屋に促され、ベッドの上に座る。
山田涼介
山田涼介
はい、ココアでいーよね?
あなた

うん、ありがとう


私と涼介はお揃いのココア。
 私も涼介もかなりの甘党なんです。


隣にちょこんと座る涼介。
山田涼介
山田涼介
んで、今日はなんの用?
あなた

……その、ね

山田涼介
山田涼介
うん
あなた

私、大貴好きになるのやめたの

山田涼介
山田涼介
え!?
あなた

依桜をすごく傷つけちゃうから

山田涼介
山田涼介
咲坂を……?
あなた

依桜ね、私が大貴を好きだったこと勘づいてたんだと思う

あなた

それなのに黙ってたってことは、
ものすごく傷ついたんだと思うの

山田涼介
山田涼介
あなた……
あなた

だからやめた!

あなた

涼介に話……きぃてほ____


気づくと、頬が濡れていた。

私、ほんとに涼介に弱いんだから。
山田涼介
山田涼介
おいで
あなた

ふぅ、りょうすけぇ、……


ふわっと涼介に包まれる。
あなた

私っ、どうすればいいのかな
どうすれば正解だったかな……、

山田涼介
山田涼介
大丈夫、大丈夫だから

優しく背中を摩ってくれる。


それだけですごく安心してしまう私がいるんだ。

抱き締める腕を強くする涼介。
山田涼介
山田涼介
また雨だね
あなた

私、雨女……なの

山田涼介
山田涼介
ふはっ、そんなん知ってるわ笑
あなた

雨嫌い……

山田涼介
山田涼介
あなた

顔を上げると、いつもよりもずっと近くに整った顔がある。

私は顔が真っ赤になったはずなのに、涼介は照れる様子すらない。

余裕なのかな、なんて思う。




山田涼介
山田涼介
俺はね、
山田涼介
山田涼介
天気の中だと1番雨が好き。







その言葉だけで、私の全てを受け入れてくれた気がした。

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