中間 side
寒さで目が覚めた
そこには見慣れた天井も床も壁もなく
どれも同じコンクリートに見えた
中間「なんや・・・ここ・・・」
ゆっくり起き上がると
ずっと床の上に転がっていたせいか
腰がバキバキと悲鳴をあげた
部屋を見渡しても
その部屋には扉以外何も無かった
とりあえずこの部屋を出ようと
立ち上がると
なんの躊躇もなく扉が開いた
中間「うわ!」
濵田「わぁああ!?」
その空間に三十路のおっさんの悲鳴が響いた
濵田「はぁあ、人がおった」
俺の顔を見た濵ちゃんは
安心したように座り込んだ
中間「とりあえす違う部屋行こうや。俺この部屋嫌やねん」
何故か知らんけどこの部屋にいると寒気がする
早く出たかったから
ここに濵ちゃんが来てくれたのが好都合だ
濵田「じゃ、となりの部屋行かん?なんか絨毯豪華だったんよ」
中間「さっきみたいにパーっと開けたんか?」
濵田「だって誰かおるとか思わんやん」
こいつあほやな。普通は疑うもんやで。
と心の中で呟き
2人で部屋を出た
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!