あなたside

地元の駅から約1時間半。

人が溢れかえる駅に着いたのは10時。

満員電車で揺られるのは慣れていないから

精神的にもかなりキツイ。

元気ならうるを横目に見ながら

ゆうは呑気に欠伸をしている。

そして私たちはクレープ屋へと足を運ぶ。

私はチョコバナナクレープ

そらくんはチョコブラウニークレープ

らうるはいちごチョコクレープ

ゆうは甘いのが苦手だからタピオカミルクティー。

みんなが口を揃えて美味しいと言う。

並んで待った甲斐があった。

10分後__

そうしてみんなはトイレに向かった。

私はカバンからスマホを取り出しLINEを開く。

私は駿とのトーク画面を見つめる。

最後に連絡をとってから1年。

既読を着くことが無かった。

ため息を着いた時だった。

ふわっ

その瞬間、懐かしい匂いが漂った。

どこかで嗅いだ、懐かしくて安心する匂い。

私は思わず呟いた。

ここにいるはずのない駿の名前を。

でも、この匂いは確かに駿の匂いだった。

辺りを探すけど、駿の姿は見つからない。

こんな都会で見つかるわけが無い。

そう思った時だった。

声のするほうを振り返ると

懐かしい人物が立っていた。

私はそこに立っている人の顔を見た瞬間

心の底から駿だと確信した。

私は気づいたら涙を流していた。

もう二度と会えないかと思っていた。

まさかこんな所で再会するとは。

街ゆく人が私と駿のことを横目に見ながら通るけど

正直そんなのどうでもよかった。

ただ 今は、喜びで泣くことしか出来なかった。

らうると駿は元々クラスメートだったから

普通に仲がいい。

らうるはしまった と言うように口を手で押さえた。

まぁ探していたのは事実。

いきなり居なくなる駿にも問題はある。

ここから、1年ぶりの彼との生活が幕を開ける。