第3話

嫉妬 ころん 続き
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2020/02/21 12:04
ころんside

今日、あなたはなーくんと遊びに行った。最近、ぜんっぜん構ってくれないなぁ…。俺の事、どうでもよくなっちゃったのかもしれない。
ころん
構ってよぉ…あなた。
独りでぽつりと呟く。気がついたら、目のふちに涙を溜めていた。




トン
ふと誰かに肩を叩かれた。涙を拭い、振り返る。そこには、明梨ちゃんが立っていた。
福山 明梨
福山 明梨
ころんくん。こんにちはぁ。
にっこり微笑む明梨ちゃんをよそに、ある計画を思いついた。
ころん
こんにちは…そうだ。明梨ちゃん。写真、撮らない?
福山 明梨
福山 明梨
ふぇ…?写真…ですかぁ?
少し驚いたのか、いつもよりさらに声が上がっている。
だけど、すぐに頷いた。
福山 明梨
福山 明梨
撮りたい…ですぅ…。
ころん
そっか。良かった。
シャッターを切る。俺は、写真を確認してから、歩き出した。
ころん
ありがと。またね。
福山 明梨
福山 明梨
あぁっ!は、はぁい!また!




数時間後






なーくんの家の前に立つ。ちょっと気まずい気もしたけれど、大きく息を吸い込んでから扉絵開けた。
ころん
お邪魔しまーす
ななもり。
んー。
なーくんの声が聞こえる。俺は皆が集まるリビングへと向かった。
ジェル
こ、ころんくん。やっほー…
るぅと
わっ…こ、ころちゃんきてたんだ…。ひ、久し振りだね~…
ころん
ん?なんかあった?おかしいけどw
ひとりでからからと笑う。ジェルくんとるぅとくんは、顔を見合わせてから俯いた。
ななもり。
なー。あなた?クッキーちょーだい?
あなた

もーっ。なーくん、仕方ないなぁ。

その光景を見た瞬間、言葉が出なくなった。あなたがなーくんにクッキーをあーんしている。

俺、してもらったことないのに…。
ななもり。
あなた。あーん。
あなた

あーん。

ころん
…ぁ……


それからと言うもの、あなたとなーくんはずっとくっついていた。
ころん
はぁ…。
辺りはもうすっかり暗い。あなたが立ち上がった。
あなた

なーくん。私、そろそろ帰るね?また明日。

ななもり。
えー…泊まっていきなよ。危ないし。
ころん
…俺が送ってくよ。
俺がいつもより低めの声を出す。ジェルくんとるぅとくんの肩が震えた。
ジェル
俺、用事在るからさ、先帰っとくわー!
るぅと
僕も失礼しますっ。
バタンと扉が閉められる。なーくんはそっと息をついた。
ななもり。
わかった。あなた。また明日ね?
あなた

うん!またねー!

ころん
お邪魔しました。
家路についてすぐ、俺は言った。
ころん
ねぇ。あなた
今日、どうしたの?
あなた

…っ

あなたは俺と目を合わせようとしなかった。ただ視線を逸らすばかりで、逃げようとはしない。
あなた

嫉妬…してほしかった

ころん
…え?
予想外の返答に、固まる。あなたはそのまま続けた。
あなた

ころんくんが明梨と楽しそうにしてて、嫉妬した…

ころん
嫉妬…?あなたが…?
あなた

そりゃあ。大好きな人が自分以外と楽しそうにしてたら、嫉妬…しちゃうよ。

瞳から涙を流すあなた。
ころん
俺も、あなた嫉妬させたかった…
あなた

え…?

ころん
なーくんと楽しそうにしてて…いいなって…思った。
あなた

わっ…私…ごめん。ころんくんの事、何も分かってなかった…

僕は、あなたに向かって微笑む。
ころん
…ううん。俺も分かってなかった、
ころん
それに…あなたのこと、大好きだから
あなた

ころんくんっ…ありがと。

あなたは頬を赤く染める。あなたの冷たい手に、自分の手を重ねた。

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