第11話

✡瑚子の考える事
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2018/11/19 08:43
三浦 友哉
あ、桐崎先生!
桐崎先生
三浦君に鹿島さん。こんな場所でゆっくり歩いてどうするんですか?京都はまだまだ先です。
鹿島 瑚子
美歌ちゃん先生!でも…車だと混まない?
桐崎先生
ちゃんとそれは考えてます。
なので、私の知っている最短の道で行きます。乗りますか?
三浦 友哉
6人も大丈夫ですか?
桐崎先生
ええ、8人乗りなので。
そう言うと、桐崎先生は後ろのドアを開けてくれた。
瑠川 美玲
ありがとうございます!
源 翔太
あざす!
伊月 悠
友哉、この人は?
三浦 友哉
転校する前の学校の先生。
鹿島 瑚子
美歌ちゃん先生だよ〜
桐崎先生
桐崎です。
伊月 悠
助手席に座っているのは?
三浦 友哉
ん?
悠の言う通り、助手席に紺のニット帽を被り毛布を被る男性が座っていた。
桐崎先生
あぁ、この人が私が言っていた馬鹿の翔馬です。そのうち、起きるのでその時に紹介します。
鹿島 瑚子
翔馬って真の里親の人……
桐崎先生
そう言えばそうですね。藍川さんの里親です。
三浦 友哉
まぁ…京都までよろしくお願いします。
桐崎先生
分かりました。
車が走り出して何時間も経つと、辺りは暗くなりあちらこちらに車のライトが光っているのが見えた。
ふと気が付くと、昼間まで歩いていた翔太や悠、美玲、未莉ちゃんは寝ていた。
運転する桐崎先生と俺、そして瑚子だけしか起きていない。
かなり歩いたから疲れているんだろうな…。
未莉ちゃんもまだ幼いし……
すると…
鹿島 瑚子
…ねぇ、友哉。
車が出発してから、ずっと黙っていた瑚子が口を開いた。
三浦 友哉
ん?
鹿島 瑚子
友哉にとってさ…友達ってどんな人?趣味の合う人?いつも一緒にいる人?
瑚子がいきなり不思議な質問をしてくる。
友達ってどんな人?ってなんて言えば……
三浦 友哉
…彩とか一樹とかあそこら辺のやつらだろ。
鹿島 瑚子
そうじゃない。私が聞きたいのは"誰か"じゃなくて、"どんな人か"だよ。
三浦 友哉
いきなりどうした?
鹿島 瑚子
いいから。
三浦 友哉
う〜ん………一緒にいて、安心出来る人達かな…。
鹿島 瑚子
そっか…。
三浦 友哉
何で?
鹿島 瑚子
私、分からないんだ。どんな人が友達なのか。私はどの条件に当てはまるとその人が友達だと思えるのか。
そう瑚子が珍しく暗い声で話す。
鹿島 瑚子
本っ当に分からなくて…珠莉や真も友達だったのか…それともただの知人程度の仲だったのか……。
三浦 友哉
瑚子……。
いつも明るい瑚子がこんなことを言うなんて俺は想像しなかった。
『周りの人を理解した方がいい』
明神がそう言ってたっけ…。
三浦 友哉
……珠莉はいつまでも親友でいたいって言ってたから友達だろ。
鹿島 瑚子
うん、そうだね…。
三浦 友哉
真は…アイツは本当に友達になりたい人にしか話しかけに行かないんだ。だから、あの瑚子がいじめられている時に残ったから瑚子と友達になりたかったんだと思う…。
鹿島 瑚子
!……そっかぁ。
三浦 友哉
でも、あくまで俺の考えだし…
鹿島 瑚子
ううん、そういうこと言って貰えると気が楽になるよ。……あ、そう言えば、真の家でこんなのを見つけたんだけど…
そう言って、後ろから1冊の本のようなものを渡してきた…。

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