第49話

✡五十嵐村
235
2019/01/12 12:07
村への1歩を踏み込んだ瞬間、真が目の前に飛んできた。
夜霧 真
いったぁ…。
三浦 友哉
お、おい、大丈夫か!
夜霧 真
背中が痛い…
背中を擦りながら、真が立ち上がる。
桐崎先生
舞…
若槻 翔馬
おやおや、死神さんじゃん。
神崎 舞
やぁ…。
日本刀を手にした神崎さんが村奥から歩いて来た。
神崎 舞
本っ当にごめんね、真…。
夜霧 真
大丈夫、絶対に殺す…
真がふらりと立ち上がって神崎さんを見据えた時、若槻さんが前に出た。
若槻 翔馬
全く、お前はしょうがないな。俺が美歌と足止めしてやる。だから、真は死神さんの家に行け。
桐崎先生
三浦君も藍川さんと一緒に。
三浦 友哉
はい!
若槻さんが助手席からナイフと銃を出し、銃を桐崎先生に投げた。


そして、若槻さんのナイフと神崎さんの日本刀が交差する。
夜霧 真
友哉行こう。
走り出した真を俺は追いかけた。
前回は見なかった村の中、大きい建物を中心に家が何軒か並んでいる。
夜霧 真
えっと…ここ。
三浦 友哉
何を探しに来たんだ?
夜霧 真
武器、舞冬の部屋にあるはず。
靴を脱ぎ、2階に上がる。
一番奥の部屋に真が入ると、押し入れに入った。


床には大きな血痕があり、俺は息を呑む。
三浦 友哉
なぁ、これ…
夜霧 真
……斗真の目の傷。
三浦 友哉
……。
夜霧 真
あったあった。
ダンボールを取り出し、開ける。
中には刀、銃はもちろん、爆弾や閃光弾まで入っていた。
夜霧 真
この村は初めの村。型は古いけど威力はその分、強い。
ダンボールを漁り、一つ一つを見ていく。
その横顔は何処か寂しそうにも見えた。
三浦 友哉
さっき吹っ飛ばされてたけど、神崎さんを倒すことは出来るのか?
夜霧 真
出来るかじゃなくて倒すの。もし、ヤバそうだったら、その時は…
三浦 友哉
その時は?
夜霧 真
僕が…暴走する。
ポツリと呟き、閃光弾を手に取る。
夜霧 真
夜になるのを待とう。翔馬なら夜まで耐えることくらいできる。
三浦 友哉
それまで何する?今はまだ午前だぞ。
夜霧 真
何もしない。
三浦 友哉
は?
それだけ言うと、真はいなくなった…。




















夜霧 真
本当にどうしよ…
村からスグの山に来た僕。
山の中でも奥の広げた場所の大きな木の上にいた。
正直、かなり今凄い焦ってる。
途中で蹴りが入った時、膝の関節がおかしくなった気がする。


頑張っているけど、歩く度にキシキシと音が鳴っていた。
夜霧 真
このままじゃ…
本当に僕が自爆しないといけなくなる…。
まだ"広い世界"を見ていない。
まだ友哉や瑚子と一緒にいたい。
まだ……死にたくない。
そんなことを考えていると…
男性
…誰かいるのか?

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