何故か廊下で寝てた俺。
起きると、近くのソファに座っていた瑚子が気付き俺の方に来た。
わたしのお名前は「涼」って。
瑚子が日記の一文を指す。
俺の手を引き、立ち上がらせてくれると、部屋へ。
何事も無かったかのようにそのまま眠りについた…
翌日の朝。
朝食まで食べさせてくれると言うことなので、俺達は大広間に向かった。
大広間には子供連れの20代の親も多く、俺達のような学生もいた。
感謝の声があちらこちらから聞こえてくる。
ふと、周りを見回すと、明神はいるのに真がいないことに気が付いた。
その瞬間、明神の眉がピクリと動いた。
そう言い、暁月さんはいなくなった。
真がそこまで言ったのなら、隠しようがない。
朝飯を食い終わる頃に暁月さんが戻ってきて、用意が出来たと言う。
瑚子は残ると言い、代わりに翔太がついてきた。
部屋には俺、翔太、明神、暁月さんの4人。
俺は幼い頃から心臓に病気を抱えてたらしい。
真と出会った時もずっと、抱えていたって。
薬を飲んで、たまに病院に行って…それで大丈夫。
そうだったのは、小学3年生までだった。
小3になっていきなり体が弱くなった。
早く手術をしないともうヤバかったとか言ってた。
ある日、発作を起こして俺は入院。
そんな時に、その頃の親友、園田春輝が交通事故に遭った。
春輝の容態はかなり酷く、手術をしても、手の打ちようがなかったらしい。
「どうせ死んじゃうなら…友哉に分けてあげて。」
薄らと意識は持っていた春輝がそう言ったらしい。
春輝には親がいなかった。
どうしていないのかは知らないけど、あった時から孤児院に住んでいた。
孤児院の人も本人がそう希望するなら、と受け入れ春輝の心臓が俺に移植された。
まぁ…今思うと、それからだった。
学校で飼っている鶏や近所の猫等の動物の殺害事件が起きるようになったのは……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。