第17話

✡話し合い
250
2018/12/03 08:55
何故か廊下で寝てた俺。
起きると、近くのソファに座っていた瑚子が気付き俺の方に来た。
鹿島 瑚子
友哉、これ読んで。
わたしのお名前は「涼」って。
瑚子が日記の一文を指す。
三浦 友哉
…わたしのお名前は「すず」って。じゃないのか?
鹿島 瑚子
……真面目に言ってる?
三浦 友哉
ま、真面目だけど…?
鹿島 瑚子
そう…。ほら、部屋に戻ろ。
俺の手を引き、立ち上がらせてくれると、部屋へ。
何事も無かったかのようにそのまま眠りについた…






















翌日の朝。
朝食まで食べさせてくれると言うことなので、俺達は大広間に向かった。
大広間には子供連れの20代の親も多く、俺達のような学生もいた。
暁月 璃紅
では、皆様。お召し上がりください。
女性
部屋から食事までありがとうございます…!
男性
感謝しています…。
感謝の声があちらこちらから聞こえてくる。
ふと、周りを見回すと、明神はいるのに真がいないことに気が付いた。
三浦 友哉
真、いないのか…
鹿島 瑚子
ん?あ、ホントだ。ねぇ。
明神 柚輝
何?
鹿島 瑚子
真は?
その瞬間、明神の眉がピクリと動いた。
明神 柚輝
昨日、走り回って疲れているはずなのに誰かさんのせいで一睡も出来ないで部屋にいるよ。
鹿島 瑚子
そっか…。
明神 柚輝
璃紅。少しあとでこの人達と話したいことがあるから部屋を貸してもらってもいい?
暁月 璃紅
あ、はい。その場合はこちらの者の誰かがいないといけないのですが、よろしいでしょうか?
明神 柚輝
うん。これ食べ終わったら話を聞きたいからよろしく。
暁月 璃紅
かしこまりました。
そう言い、暁月さんはいなくなった。
明神 柚輝
分かってるところまででいいから教えて。君の病気とある日の事故の話。
三浦 友哉
お前、何で…
明神 柚輝
朝、真から聞いた。「友哉は昔、心臓の病気だった。それで心臓移植の手術をした。」って。
三浦 友哉
……分かった…。
真がそこまで言ったのなら、隠しようがない。
朝飯を食い終わる頃に暁月さんが戻ってきて、用意が出来たと言う。
瑚子は残ると言い、代わりに翔太がついてきた。
部屋には俺、翔太、明神、暁月さんの4人。
明神 柚輝
さて、どうぞ。
三浦 友哉
まぁ、覚えていることは少ないけど、話せる場所まで話すよ……。


















俺は幼い頃から心臓に病気を抱えてたらしい。
真と出会った時もずっと、抱えていたって。
薬を飲んで、たまに病院に行って…それで大丈夫。
そうだったのは、小学3年生までだった。
小3になっていきなり体が弱くなった。
早く手術をしないともうヤバかったとか言ってた。
ある日、発作を起こして俺は入院。
そんな時に、その頃の親友、園田そのだ春輝はるきが交通事故に遭った。
春輝の容態はかなり酷く、手術をしても、手の打ちようがなかったらしい。
「どうせ死んじゃうなら…友哉に分けてあげて。」
薄らと意識は持っていた春輝がそう言ったらしい。
春輝には親がいなかった。
どうしていないのかは知らないけど、あった時から孤児院に住んでいた。
孤児院の人も本人がそう希望するなら、と受け入れ春輝の心臓が俺に移植された。
まぁ…今思うと、それからだった。
学校で飼っている鶏や近所の猫等の動物の殺害事件が起きるようになったのは……。

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