『恩を仇で返したね…。今までに何回も同じことを起こしたのを藍川が…真がいつも助けていたのに酷いよ。』
”何回も同じことを起こした”
そこに俺は引っかかった。
今回が初めてなはずだし…
高校に入って、しばらくした時。
一樹が俺に「真って小学校の時に動物とかを
殺したんだってな。」とか言いに来たことが
あった。
確かに小学校の時、真は猫とか犬とか学校で
飼ってる鶏とか殺した。
しかし、その時一番怒ってたのは珠莉。
「まーくんが動物を殺すわけないでしょ!?何も知らないくせにそんなことを簡単に言わないでよ!!!」
そう言って、物凄く怒っていた。
この時、初めて大人しい珠莉が怒った。
真は何も言わず、ただただ背を向けていた。
菊池を落としたとか全く覚えてない。
ただ2人が保健室に行ったことしか…。
その言葉に俺の眉がピクリと動く。
そう言って、菊池は立ち去った。
俺は待っている瑚子、悠、翔太の元へ。
さっきのことを許したのか瑚子も少し笑う。
本当に気を付けないと…。
俺はそう思いながら家に向かった…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。