第12話

✡京都
296
2018/11/21 06:41
三浦 友哉
これ、何だ?
鹿島 瑚子
さぁ…けど、本の見た目が凄いことになってたから少し気になって…
スマホのライトで本を照らすと、真の保存の仕方と思えない程の汚さ。


そして、何か黒い染みみたいのもある。
三浦 友哉
う〜ん…
ライトを本に照らし、そのまま読もうと手を動かした時…
ピロンッ♪


車内の携帯が一斉に鳴った。
三浦 友哉
わっ…!
09/05 19:46
To:GM
title:Return
服従確認。


すると、桐崎先生が少し後ろを向き…
桐崎先生
そろそろ着きます。他の皆さんも起こしてください。
三浦 友哉
あ、はい!悠!翔太!!
本を仕舞い、悠と翔太を起こす。
その声に美玲も起きた。
伊月 悠
んだよ〜…
三浦 友哉
もう少しで到着するらしいから起きろ。
伊月 悠
着くって何処に?
三浦 友哉
………言われてみれば、先生。何処に向かっているんですか?
桐崎先生
何かよく分かりません。翔馬がそこに行けって……翔馬!!!いい加減起きてください!私はこの辺とまでしか聞いてないんです!!
キレ気味に先生が助手席に向かって怒鳴る。
その声に「うっせぇ…」と声が聞こえ、毛布を取った。
若槻 翔馬
ほんっとうるせぇ…てか、何か人が増えてないか?
桐崎先生
別に元教え子とその友達くらい乗せてもいいでしょ。藍川さんの幼馴染と親友の子達だし…
若槻 翔馬
ん?
パッと車内の電気をつけ、その人は身を乗り出しこっちを見た。
若槻 翔馬
あっ、じゃあ、お前?真がよく言う幼馴染の友哉ってのは?
三浦 友哉
は、はい…。
若槻 翔馬
おー、そうなのか。俺は一応、アイツの里親の若槻わかつき翔馬しょうまだ。
一見、20代前半にも見えそうなくらい見た目は若い。ニット帽を目深に被って肌の露出度は低い。
桐崎先生
自己紹介は後でいいので、場所を教えてください。何処に行くのかも聞いてないです。
若槻 翔馬
そうだったな。俺が行きたいのは"アカツキ"がいる場所。そこに用事があるんだ。場所は…
そう言い、若槻さんはカーナビをいじり始め桐崎先生に見せた。
"アカツキ"に用事って何だ…?
そこが気になるが、取り敢えずは気にしないことにしようと思い、何も言わなかった。
桐崎先生
本当に近いですね。このくらいの距離ならあと2、3分くらいで着きます。
暁月 未莉
眠〜い。
瑠川 美玲
着いたらお願いして、寝かさせて貰おうね〜…
目を擦る未莉ちゃんを美玲が抱える。
2分後…
桐崎先生
着きました。
車が止まり、先生が降りる。
俺達も車から降りた。
源 翔太
デカっ…
目の前にあるのは和造りの大豪邸。
門の横には『月の宿』と書かれている。
三浦 友哉
月の宿って有名なとこじゃ…
鹿島 瑚子
未莉ちゃん、お母さんが言ってたのはここなの?
暁月 未莉
うん!
『月の宿』と言えば、日本の中でも有名所として知られている。ホテルなどが増加する中でもずっと和を守り続けることで外国人などにも人気だと聞いたことがある。
若槻 翔馬
今は命令で身寄りのない福岡の人を停めてくれてるんだとよ。これで、今夜は困らないな。
門を開け、中に入って行く若槻さんのあとを俺達は追いかけて行った。

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