第5話

✡家
354
2018/11/01 12:53
家に帰ると、弟の湊翔みなとがリビングにいた。
湊翔はタオルで濡れた髪を拭いている。


多分、もうダムに行ったんだろう。
湊翔
あ、兄さん。
三浦 友哉
もうダム行ったのか?
湊翔
うん、茜と。
三浦 友哉
茜は?
湊翔
部屋こもってる。
三浦 友哉
そうか…。
湊翔
あ、こんちは。
伊月 悠
こんにちは。
源 翔太
初めまして。
鹿島 瑚子
湊翔君って真と連絡を取ったり
してる?
いきなり瑚子がそう聞いた。


瑚子の質問に湊翔の髪を拭く手が止まった。
湊翔
……いや、してないよ。
三浦 友哉
…いやいや、してるだろ。
湊翔
…仮にしていたとしてそれが何
になるの。
鹿島 瑚子
場所が知りたいの。
湊翔
嫌だ。
三浦 友哉
はぁ?
湊翔が顔を背け、そっぽ向く。
その態度に俺はかなり頭にきた。
三浦 友哉
おい、湊翔。
湊翔
何。
三浦 友哉
知ってんなら教えろよ。
湊翔
嫌だって言ってんじゃん。何?
兄さん耳悪いの?
三浦 友哉
悪くねーよ。
湊翔
自分で探したら?今の時点で兄
さんが真姉に会ってもさ、真姉
を傷つけるだけでしょ?
三浦 友哉
そ、れは…。
湊翔
さっき電話した時に真姉の友達
かな?柚輝から聞いたよ。昔と
同じ現象をついに人間で起こし
たらしいじゃん。
三浦 友哉
……。
湊翔
まぁ、それだけ。あとは茜にで
も頼んだら?じゃ。
それだけ言って、湊翔はリビングからいなく
なった。
伊月 悠
それを言われたら何も言い返せ
ないよなぁ…。
三浦 友哉
まぁ、な…。
茜か…。
俺は重い足取りで茜の部屋へ向かう。
コンコン……
何。
ドアが開き、あかねが顔を出した。
三浦 友哉
あのさ…真の場所とか分かる?
え、いきなり何なの。今、私、
かなり忙しいんだけど。
三浦 友哉
そこを何とか…
夜中になったら考えてあげる。
それだけ言い、ドアを閉められた。
三浦 友哉
あぁぁ〜……
頭を抱えながらリビングに戻ると、母さんが
みんなに昼飯を振舞っていた。
母さん
友哉、新しい友達が出来たの。
良かったわね〜
ニコニコと微笑み、俺達の身の安全の無事を知って安心したようだ。
三浦 友哉
あ、ああ…。
母さん
瑚子ちゃんも久しぶりだし…
どうする?もしも良かったら、
今日は家に泊まっていく?
鹿島 瑚子
え、いいんですか!?
母さん
もちろん。
源 翔太
ありがとうございます!!
伊月 悠
あざす。
三浦 友哉
お前ら、くれぐれも騒ぎまくら
ないでくれよ…
伊月 悠
分かってるって。
源 翔太
そんくらい分かるし!!
あ、ダメだな…。
こいつらは絶対に騒ぎそうだ…。
結局、ずっと騒ぎまくった悠と翔太。


けど、母さんは元気が一番と何も言わず、
騒ぎまくる2人。
瑚子は呆れ、湊翔はゲームに夢中。
まぁ、いつ死ぬか分からないなら、騒いでもいいのかもな……。
そんなことを思い、俺も黙っていた…

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