やな作
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そう言い捨て、相手を床に叩きつける。何度目だろうか。軍医になってからというもの、暴言を吐くことが多くなった。薬の実験で部屋に籠ることも増えるようになった。
終いには、山田にも心配される始末
そんな独り言を呟いているとノック音がし、部屋に入ってくる。
それだけを言って帰っていった。程々にとは…難しい事を言うもんだ。
取り敢えず、はるてぃーに頼まれた薬品作成に勤しむか…と、そうもうまくはいかない。
一、二、三…五人ほどの侵入者が部屋の周りにいる。気持ち悪いので是非辞めて頂きたい。
そう言った瞬間、ダクトから侵入者が一人落ちてきた。
相手の腹部に思いっきり蹴りを喰らわせ、一発でダウンする。
はーもう、ほんとクソしね。こんな雑魚どもに構ってる暇はねぇってのに。
死なない程度に痛めつける。俺のことを非戦闘員だと思ったのか、軽装備だったため楽に捕らえることが出来た。
ザシュッ、ぐちゃ、
肉を切るような音と共に悲鳴が響く。
恍惚の笑みで頭を撫で、髪を鷲掴みにする。
乱暴に叩きつけ、新しい薬を作るため部屋に戻っていく。
え急にこっわ
たくぱんの薬打ってるのに?珍しいやつもいたもんやな〜
実際に見たほうが早いな
はえ〜、こここんなんになってたんやなぁ…
実験室に案内され、更に奥に進んでいく。
段々と血生臭い臭いがして、思わず顔を顰める。
なんでたくぱんはこの臭い平気なんや…
ガシャン、と牢獄の扉が開かれる。
部屋には人間と、肉の塊の山があった。中には精神が崩壊し、ぼーっとしてる者。暴れ回っている者。そして、獣のように肉の塊を貪り食べている者が居た。
たくぱんは完全に狂っていた。前まではこんなでは無かったのに…
彼の手を引きはるさんのとこに向かう。あいつならきっと、なんとかしてくれると、しんじて。
ノックもなしに総統室に入る。本来であれば罰せられる行動だが、この軍ではお咎め無し。まぁ、そこがここの良いところやねんけど…
分かってくれた!と思ったがそれ以降、口元を押さえて笑っている。気持ち悪いくらいに。
あれは…たくぱんが前開発して、危険すぎてお蔵入りになった薬…?
冷たい目で早く部屋を出て行け、と言われる。
俺はその闇を墓場まで持っていくと決意した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。