第11話

告白
31
2018/12/05 13:39
春芽くんに引っ張られて連れてかれたのは、前に彼と話をした、幼稚園のころにみんなで遊んでいた公園だった。

前に座ったところと同じベンチに座る。
あのさ。
彩葉
うん…。
さっき、俺が言ったこと覚えてる?
彩葉
さっき…?
…俺が、彩葉のことが好きってこと。
彩葉
加持さんたちのことであまり気にしていなかったが、あの時、確かに彼は私のことを好きな人と言った。
あれさ、本気だから。
彩葉
本気って…。
俺、本気で彩葉のこと、幼稚園の時からずっと好きだ。
彩葉
…!
でも、どうして…?
前に、俺が獣医になりたいって話とそのきっかけについて話しただろ?
彩葉
…うん。
うさぎが死んだ時さ、お前、1人でうさぎ小屋の前に座り込んで、「ごめんね、ごめんね」ってずっと泣いてただろ?
(…そういえば、そうだ。)

あの時、私も彼と同じで生き物の死に初めて遭遇した。

(それで私、お母さんが園に迎えに来てからも
、小屋の前でずっと泣いてた。)
その時さ、「あぁ、すっげー優しいやつなんだな」って思うと同時に、“守ってやりたい”って思った。…まぁ、ある意味、一目惚れってやつ。
…それ以来、俺はずっと彩葉のことが好きだ。
彩葉
でも私の能力___。
能力なんて関係ないっ!!
なんだったら、今俺に触れてみろよ。
そうしたら、俺が、どんだけお前のこと好きなのか、能力なんてなんとも思ってないことが分かるだろ?
だからさ…俺の彼女になってほしい。
彩葉
春芽くん……。
(そんなことを言われたのも、告白されたのも初めて…。でも、私…。)
彩葉
私さ、今まで誰とも関わらずに過ごしてた方が、他の人のためだと思ってた。
でも、能力なんて関係なく私と友達になってくれる人がいた。
私が、そうやって前向きになれたのも、春芽くんが私に“能力なんて気にせずに過ごせばいい”って言ってくれたおかげ。
だから…。
(だから……。)
彩葉
私、なんかで良ければ…春芽くんの、彼女、にしてください…。
!!
夢、じゃないよな?
彩葉
…夢じゃない、です。
…彩葉っ!
彩葉
わっ!
春芽くんから抱きしめられる。
でも、嫌なんかじゃなくて。


(好きな人に触れられることが、ここまで嬉しいことだなんて、知らなかった。)
彩葉
…あれ?
どうした?
彩葉
心の声が、聞こえない…。